顔認証を使用したセキュリティ監視システムの構築
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顔認証を使用したセキュリティ監視システムの構築

2023/03/16

スマートなセキュリティおよび監視システムは、従来のシステムよりも正確かつ効率的であるため、様々なビジネスシーンで活躍しています。顔認証技術は、従業員の顔認証入退出管理システム・POSシステムおよび顔認識ドアアクセスシステムとの統合を提供することで、セキュリティにかかる支出を大幅に削減することもできます。

アフターコロナの世界において人工知能 (AI) の進歩は、セキュリティ分野の未来に革命をもたらし、非接触型の顔認証生体技術と幅広い業界での多様な使用方法がいま注目を集めています。

こちらの記事では、AIを利用した顔認証型監視がビジネスに適しているかを判断するための重要なポイント・顔認証システムを選択する際に検討すべき品質と機能・費用対効果の高いスマートセキュリティシステムを設計する方法について解説します。

スマート監視システムとは

スマート監視システムは、センサーとコンピューター ビジョンを従来のCCTVシステムに統合することで、身元確認の実行・セキュリティ担当者への即時アラートの送信・アクセス制御の管理を可能にして、組織の資産のさらなる保護および従業員の安全を強化します。

スマート監視システムを作成する最も簡単かつ採用されている方法の1つがAIで、具体的には顔認証技術を導入することです。統合されたコンピューター技術の利点を活用して、かつてないほど迅速かつ正確な本人確認を提供すると共に人件費の削減に役立ちます。

顔認証によるセキュリティ監視へのサポート

顔認証技術には多くの利点があり、最も一般的な機能がセキュリティ管理です。顔認証をセキュリティおよび監視システムに統合することで生まれる4つの重要な利点を見てみましょう。

  1. 効率と信頼の向上

    顔認証技術は、生体認証の効率と信頼性を向上させ人的ミスを回避します。FaceMeのような高度な顔認証ソフトウェアは、勤怠管理システムと統合して、従業員の出退勤履歴を自動的に追跡及び報告することもできます。

    顔認証を使用したリアルタイムの本人確認では、現場の労力を最小限に抑えることができるため、確認プロセスのミスが非常に少なくなります。また、アクセス時に使用する共有セキュリティデバイス (指紋リーダーやキーパッドなど) に物理的に接触する必要もなく、パスワードを覚えたり、IDカード等を用意する必要もありません。実際、顔認証を基盤とする顔認識ドアアクセスシステムのタッチレス品質は、タッチレス生体認証アクセス制御の選択において企業より多大に支持されています。

    タッチレスによる顔認証入退出管理システムで職員の動向を管理
  2. リアルタイムの警報と人件費の削減

    従来のセキュリティシステムでは、セキュリティ担当者が敷地内すべての動きを監視・訪問者の確認そして侵入者の特定を行なう必要がありました。顔認証技術によって強化されたスマート監視システムは、人の顔を認識して、事前に定義されたイベントが発生した際に、顔認識警報システムよりリアルタイムで警告が送信されすぐさま本人確認を行えます。

    顔認証の高精度で高速な認識速度により、組織は人の流れをより適切に割り当て、応答時間を短縮し、長期的に全体的な運用コストを削減できます。

  3. 顔検索による特定の人物の動向追跡

    犯罪行為 (不法侵入や盗難など) が発生した場合、セキュリティ担当者は容疑者を迅速に特定する必要があります。顔認証監視システムの助けを借りて、企業は写真をアップロードしたり、ビデオ映像から特定の顔を切り取り、特定の人物を検索できます。検索結果は、その人物が現在建物内にいるか、その人物が出入りした日時、入退出の履歴を管理者に表示して、監視対象領域全体で個人の完全な足跡を追跡することさえできます。

    最新のピープルトラッキング機能では、年齢・性別・服の色・所持しているカバンなど高度なフィルターを使用して、アイテムや体型から検索することもできます。このように、カメラが鮮明な顔画像を撮影できなかった場合でも、FaceMe Securityは特定したい人物を識別して、その人物の完全な足跡をマップ化することができます。

    FaceMe Securityは、Genetec・Milestone・Axis Communications・Network Optix NxWitness・Vivotek・Avigilonなど様々な主流ビデオ管理システム (VMS) と互換性があります。これにより、企業は既存のビデオ管理システムを、アクセス制御及び監視専用に設計されたAI 駆動型ソフトウェアである FaceMe Securityと統合できます。この統合により、セキュリティ担当者は以前同様のユーザーインターフェイス (UI) ダッシュボード内で操作できるようになり、まったく新しいシステムに比べて、システムに慣れるまでの時間が大幅に短縮されます。

  4. 機器サービス管理システム

    セキュリティのための顔認証は、その使用範囲がドアアクセス制御だけに限定されません。特定の資格を持った人だけがアクセスを許可された機械、専用または制限付きロッカーなどへのアクセスを人々に許可するためにも使用できます。また誰がいつアクセスしたのかを確認するためのアクセスログの取得も可能です。

    FaceMeのマスク、ヘルメット、ゴーグルなどの安全装備を着用している個人を本人確認する機能は、高い評価をいただいております。

セキュリティ監視ソリューションのアーキテクチャ

FaceMe®は業界最高クラスのパフォーマンスを誇る、セキュリティ監視システムへの統合に最適な顔認証ソリューションです。

既存のシステムに顔認証を追加する場合、試行錯誤によって導入時のコストが大幅に増加するだけでなく、導入後も期待した通りのメリットを得られないという状況がしばしば発生します。このようなプロジェクトの実行はストレスフルであり、またその後の運用にも苦労することとなります。このような状況を回避するためには、最初に顔認証の導入にあたっての制約と、成功要因を定義する必要があります。さらに最適なビデオ監視システムを開発する際の重要なポイントとして、以下のポイントを確認する必要があります。

  1. どのタイプのシステムアーキテクチャを使用するか?
  2. カメラやサーバーなどのハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントを維持・アップグレード、または交換する必要があるか?
  3. 保持するデータと保存場所はどこか(エッジ、ローカルサーバー、クラウド)?
  4. セキュリティ監視システムで監視する対象は?
  5. 画像はどの程度精細に取得する必要があるか?
  6. ソリューションの拡張性はどの程度必要か?
  7. ユーザーの個人情報と生体認証情報の保管、プライバシーの保護における要件、そしてそれらをどのように設定する必要があるか?

オリジナルのセキュリティ監視システムを構築するために

監視ソリューションアーキテクチャ

セキュリティ監視ソリューションのシステムアーキテクチャを設計する開発者は、最初にイベントの種類、対象の時間帯、および通知の設定といった要件を決定し、個々のシナリオごとに最適なシステムを構築する必要があります。以下に、考慮すべきいくつかのポイントをご案内します。

顔認証カメラシステムとビデオソース

高性能なシステムアーキテクチャを設計すべく最初のステップは、ビデオソースの決定です。カメラの配置に加えて、RTSPを使用してIPカメラから直接ビデオストリームを取得するか、既存のビデオ管理システム(VMS)とのインターフェースを使用するかを選択していきます。 ビデオ形式も重要な要素のひとつです。従来のIPカメラシステムは、主要なフォーマットとして H.264/MPEG-4を使用しますが、新しいモデルはH.265/HEVCをサポートし、ファイルサイズを約 70% 削減、NVR (ネットワーク ビデオ レコーダー) のストレージスペースを節約します。

プラットフォームとハードウェアインフラストラクチャ

次に、既存のインフラストラクチャを評価して、顔認証技術を統合する方法を決定します。リアルタイム処理の必要性や展開範囲などの要件によって、中央のサーバーで処理を行うか、またはワークステーションを使用して顔認証処理を行い、結果を中央のサーバーに送信するかが決定されます。後者のシナリオでは、各拠点にワークステーションを配置し、中央のサーバーとの通信を行うことになります。

場合によってモバイルデバイスを使用する場合は、iOSやAndroidのサポートが必要です。FaceMe®をはじめとする柔軟性の高いソリューションは、これらを含む主要なオペレーティングシステムとNVR・VMS・IPカメラなど既存のIP監視システムにおいて互換性を持っています。AI 処理機能 (GPU・VPUまたはAPUとFaceMeセキュリティソフトウェア) を備えたワークステーションを追加して、顔認証システム機能を備えた既存のシステムを、わずか15~20%の追加コストでアップグレードできます。特定のチップセットおよびその他のインフラストラクチャに関する詳細はこちらの記事をお読みください。

従来のVMSシステムをすばやくアップグレード

多くの企業は、スマートセキュリティシステムにアップグレードする前に、すでに何年も稼働しているイメージ管理システムを所有および使用しています。そのことを念頭に置き顔認証を導入する前に、まずソフトウェアとハードウェアの統合について深く理解して、従来のシステム下でスマート監視システムに直接かつ迅速にアップグレードできるかを検討する必要があります。シームレスな統合によって、運用コストと導入コストを大幅に削減、スマートなセキュリティ管理を効果的に実行できます。

FaceMe Security は、スマートセキュリティの分野で包括的なサポートを提供します。複数の VMS との強力な統合により、シリアル接続を開発したり、追加の機器を購入する必要がなく、既存のセキュリティシステムを顔認証付きのスマート監視にアップグレードできます。セキュリティ担当者は、元のシステム操作画面から顔認証機能に直接アクセスして使用できるため、操作に慣れるまでの期間が短縮されます。

FaceMe® Security - オールインワン顔認証ソリューション

Faceme® Securityは、すぐに使用できるソフトウェアパッケージ型ソリューションにより、PC・ワークステーション・サーバー・ビデオ管理システム(VMS)、そしてIPカメラなどの既存の監視システムに顔認証機能を追加できるオールインワン顔認証ソリューションです。FaceMe® Securityは、訪問者のチェックイン・従業員の出退勤管理・マスクの検出・リアルタイムの顔認識ビデオ監視・アラート通知まで、幅広いタスクを実行することができます。

FaceMe® Security アドオン

さまざまなアドオンでFaceMe® Securityをカスタマイズし、機能を拡張することができます。たとえば、検温スクリーニング、出退勤や入退室の管理、施設全体の集中監視といった機能に対応できるアドオンが用意されています。

1.VMRアドオン:一定以上の規模のセキュリティ監視システムは、ユーザーデータベースの管理、ライブモニタリングの実行、訪問者が到着した際のリアルタイム通知、従業員の出退勤管理、ブラックリストに登録された人物の検出、警備員へのアラート送信などの目的で、VMS機能を統合しています。FaceMe® Securityは、MileStone xProtext、NetwotkOptix NXWitness、Vivotek VAST2などの主要なVMSをサポートしています。FaceMe® Securityは、VMS機能がないシステムにも監視アクティビティを処理するためのVMRアドオンが付属しています。VMRアドオンには、以下の機能が含まれています。

  • 最大9ストリームのカメラ映像をモニタリング
  • リアルタイムアラート
  • イベント毎のビデオ録画と再生

2. Healthアドオン:FaceMe® Security Healthアドオンは、あらゆる施設で利用できる検温スクリーニングソリューションです。昨今の感染症状況で重要となる、3つの項目をチェックすることができます。

  • マスク検出:マスクが正しく着用され、鼻と口が覆われているかどうかをチェックします。
  • 個人の識別:FaceMe®は、マスク着用状態でも98%以上の精度で個人を識別することができます。
  • 検温スクリーニング:サーマルセンサーを内蔵したカメラで、一定以上の体温を検出した際に通知を行うことができます。
  • 企業、小売店舗、学校などさまざまな施設で、Healthアドオンを利用して、ウイルス感染のリスクを可能な限り減らし、個人の健康を維持することができます。

3. Check-inアドオン:FaceMe® SecurityのCheck-inアドオンは、アクセス制御において重要な役割を果たします。ドアロックシステムと統合することによって、従業員管理システムと連携して出退勤を確認し、また施設内でのアクセス制御を行うことができます。 豊富な機能、すぐに使用できるアドオンソリューション、さまざまな環境に展開可能な柔軟性を備えたFaceMe® Securityは、セキュリティ用途に最適なプラグアンドプレイの顔認証ソリューションです。

プラグアンドプレイで使用可能なソフトウェアパッケージであるFaceMe® Securityは、セキュリティ監視用途に最適なソリューションです。一般的なセキュリティ監視のシナリオに対応できるようあらかじめ設定されており、拡張性にも優れています。さらに、単一または複数のカメラを使用するシナリオだけではなく、複数の場所での展開にも対応可能です。

セキュリティ監視における顔認証の活用事例

セキュリティ監視の目的や用途、シナリオ、監視の頻度、タイミングなどは、意思決定プロセスにおける重要なポイントとなります。たとえば、監視の目的が万引きの防止である場合、システムは、既知の万引き犯を検出した際に通知する「イベント」を実行する必要があります。一方で、学校のキャンパスや、出入りが制限されるような公的機関などでは、より幅広いシナリオに応じてイベントを定義する必要があります。目的とイベントを明確に定義することは、監視システムの設計を行ううえできわめて重要です。

小売店舗での顔認証活用

小売店舗では、FaceMe®によって収益の増加を図ることができます。たとえば、VIP顧客を識別して、営業担当者と顧客間のコミュニケーションを活発化させることで販売の可能性を高めることができます。この場合、VIP顧客が入店した際に、入口カメラで顧客を識別して、担当者に通知を送信します。大規模店舗の場合、カメラを分散して配置することで、店舗や特定のエリアごとに関連する従業員に通知を行うことができます。

また、安全上の懸念から既知の万引き犯などブラックリストに掲載されている人物の立ち入りに対して注意を促す必要が生じる場合があります。入口にカメラを設置することで、FaceMe®はこれらの人物を識別して、入店または退店時にセキュリティ担当者へ通知することができます。店舗全体の広範囲にカメラが装備されている場合、FaceMe®は人物の位置情報をリアルタイムで提供、さらには、個人を即座に識別するだけではなく、メッセージングアプリ・テキストメッセージ、または店舗独自で使用しているセキュリティダッシュボードを介して、適切な担当者へ通知を行うこともできます。

接客業での顔認証活用

接客・サービス業では、顧客との良好な関係を築くため、いかにして良い第一印象を与えるかが重要となってきます。FaceMe®によって顧客を識別することで、競合他社との差別化を図ることができます。FaceMe®は来店時にVIP顧客を識別し、担当者が応対を行う前に通知を送信することで、顧客へ積極的にアプローチすることを実現します。また先述の通り、FaceMe®の通知はサードパーティー製のメッセージングシステムを既に導入している場合でも対応が可能です。さらには、顔認証技術を備えたデジタルサイネージを使用して、VIP顧客をスムーズに案内し、素晴らしい体験を提供することができます。

顔認証システムをセキュリティに有効活用した成功事例

顔認証技術の統合により、スマートなセキュリティと監視を有効的に活用している企業には、ACE BioTek (スマート医療ソリューション) と Talma (空港サービス、セキュリティ、健康診断) があります。

FaceMe エンジンを搭載した ACE BioTek社のTC-800は、すでに台湾とアメリカの顧客に使用されています。TC-800が配備されている会社の敷地内のうち毎日5,000人以上の従業員が出入りする場所では、顔認証駆動型デバイスにより、タイムレコーダーの交換・必要に応じた摩擦のない健康診断・ピーク時の混雑解消など、効率的で有益なスマートビルディングの環境が提供されています。

参考:ACE Biotek社の導入事例

ラテンアメリカ最大の空港ビジネスサービスプロバイダーであるTalmaでは、従業員は21の空港に分散しており、各空港で出席管理および健康と安全の管理を行っています。Talmaとサイバーリンクのパートナーシップにより、入退室管理システムに顔認証エンジンFaceMe®を導入・統合後、従業員はマスク着用による顔認証・本人確認による入退室管理を徹底、勤怠管理と同時に体温測定も実施することで効率的に最新の健康と安全に関するガイドラインをすべて順守することを可能にしました。また、健康への需要管理は、会社の業務効率を大幅に向上させます。

参考:Talma空港向けセキュリティ制御システム導入事例

上記で紹介した用途以外にも、多くの人物が出入りするオフィス環境では、セキュリティ監視システムを導入することにより従業員の出入りを確認すると同時に、勤務状況を記録することができます。また、セキュリティ担当部門は出入りする請負業者を識別して、到着時と退出時に担当者へ通知を送信することもできます。

さらに、システムをカスタマイズして、特定の時間に管理者またはセキュリティ担当者へ通知を送信することも可能です。たとえば、請負業者が特定の時間までに施設を退出する必要がある場合、通知システムをカスタマイズして特定の時間に通知するよう設定できます。一部エリアへの立入りに許可が必要な施設では、顔認証ソリューションをエリア内部と外部のカメラに組み合わせることで、セキュリティを維持し、許可されない人物の立入りが発生した場合には、直ちに通知が送信されます。また、セキュリティシステムによって、ブラックリストに登録された人物をすばやく識別し、担当者へアラートを送信することもできます。

顔認証のスマートセキュリティへの道

監視とセキュリティを高めるための最も正確で効率的なテクノロジーとして、顔認証の人気は高まり続けており、ここ数年大きく勢いを増しています。その採用/市場規模は 2026 年までにほぼ 3 倍になる予定と言われています。顔認証の継続的な開発とAI/ディープラーニングアルゴリズムの適用のおかげで、初期の技術的な問題は取り除かれてきました。認識精度の向上・なりすまし防止機能の強化・信頼性の向上により、他の種類の生体認証と競合するまでに成長しただけではなく、スピード・柔軟性・実装の容易さという自然な利点により、他のモダリティよりも優れています。

今日、多くの顔認証ソリューションが市場に存在するため、最適なソリューションを見つけるのは容易ではありません。間違いなく、サイバーリンクなどの企業による積極的な開発やこの技術を活用しようと奮闘している新しい企業によって、顔認証技術はさらに精確になり、その使用例は拡大し続けるでしょう。

FaceMe®についての詳細は、FaceMe®公式ページをご覧ください。

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