顔認証システムを使った6つの活用事例【2024年 最新版】
FaceMe®
< 全ての記事

顔認証システムを使った6つの活用事例【2024年 最新版】

2024/08/21

スマートフォンやタブレット端末でのログイン等に利用されている Face ID などの顔認証ログインの普及により、顔認証技術をご存知の方やその応用に興味のある方も少なくはないのでしょうか。

今回は、顔認証システムで実現できることやその活用事例について紹介します。

顔認証システムとは?

顔認証システムとは、データベースに登録された顔の情報と、カメラが検知した顔の画像や映像を照らし合わせて本人確認をするもので、顔の特徴点を抽出して個人を認証する生体認証のひとつです。顔認証システムは既設のカメラやシステムと統合することも可能で導入のハードルが比較的低いこと、また高度なセキュリティを確保できる点などから、近年ではより幅広い分野での導入が進んでいます。

顔認証の機能

  1. 顔検出

    写真や映像に顔が含まれているかどうかを検出する、顔認証の最初のステップです。

  2. 顔の比較と認証

    検出された顔情報の特徴点を抽出し、データベースにある情報と比較して本人確認や人物特定を行い、アクセス制御、VIP検知、不審者検知など次の動作を行います。

  3. なりすまし防止

    写真、動画、3Dマスクなどを使用したなりすまし攻撃を検知し防止する機能は安全、また信頼性を確保する上で顔認証システムには欠かせない機能です。

  4. マスク等の着用検知

    認証対象がマスク、ゴーグル、ヘルメットなどを着用しているかどうかを検知することで、工場、建設現場、医療機関などの安全管理に活用できます。

  5. 属性情報分析

    顔画像から性別、年齢、感情などの情報を判断することで、マーケティングへの活用や年齢制限のある場所でのアクセス制御にも使用できます。

  6. 顔画像からの人物検索

    顔認証をセキュリティ管理システムと統合すると、「画像から人物を検索」し、特定の人物の足跡を捉えることができます。

顔認証システムの活用が期待される分野

各産業分野や施設において顔認証技術は、さらなる普及が期待されると考えられます。

  1. 工場・倉庫などスマートファクトリー
  2. 金融機関・保険サービス
  3. スマートホーム
  4. スマートオフィス
  5. スマートリテール
  6. 公共交通機関
  7. スマートホスピタル等の医療施設
  8. 学校・教育機関
  9. 宿泊施設や旅行業者
  10. 飲食店・接客サービス

それでは、各産業における顔認証の活用シーンおよび活用する際に考慮すべき点を見ていきましょう。

AI顔認証システムを活用した6つの事例

顔認証システムは、多くの産業で様々な用途と目的のために利用されています。それでは、実際にどのような形で運用されているのかみてみましょう。

  1. セキュリティ強化
  2. 多要素認証への応用
  3. 入退室・勤怠管理
  4. eKYCとフィンテックへの応用
  5. スマートリテールとカスタマイズされた顧客体験
  6. 公共施設・交通機関での活用

1. セキュリティ強化

  • 商業施設や教育機関への不審者の侵入防止

    ライブ映像を事前に登録された顔情報と照合することにより、施設の監視効率を大幅に改善することができます。データベースに登録のない人物や、過去にブロックリスト登録された人物が施設へ侵入した場合、即座にセキュリティへ警告を発報することができます。

    例として、顔認証技術を使用したスマートセキュリティシステムにより、学校に出入りする人々を効率的に判別して、不審者が学校に現れ侵入を試みた場合、即座に安全措置をとるよう担当者に警告することができます。学校の安全確保は、保護者と教師にとってきわめて重要な課題となっており、顔認証の導入でセキュリティ強化を実現します。

    同様の方法で、商業施設や小売店における店員への嫌がらせや、万引きといったトラブル回避も可能です。顔認証を使用したスマートセキュリティシステムにより、このようなトラブルを発生させる人物が入店した場合、担当者は注意を促す警告を即座に受け取りアクションを起こすことができます。

  • 顔認証によるアクセス制御-施設や教育機関への不審者の侵入防止
  • 工場や倉庫でのセキュリティ管理

    製品製造だけではなく、保管や出荷などを通し世界中でサプライチェーンを構成している工場や倉庫等の施設では、資産の保護や機器の監視、および施設に存在する多くの危険から資産や従業員を守るためのセキュリティに多額の投資を行っています。

    顔認証を備えたスマートセキュリティシステムを導入することで、特定の担当者のみに制限区域への出入を許可したり、不審者や未登録者を検知しセキュリティへアラートを発報することで素早く問題への対処が可能になります。また適切な免許と資格を持つ従業員のみが機器を操作できるよう管理することもできます。

2. 多要素認証への応用

顔認証によりセキュリティレベルを下げる事なく、施設における入退場の管理を自動化することができ、セキュリティを更に強化することができます。

多要素認証とは、三つの認証要素(知識要素、所持要素、身体要素)から二つ以上を組み合わせて認証する手法のことで、最近ではログインセキュリティ強化を目的に導入が進んでいます。

  • パソコンやシステムのログインセキュリティ強化

    サイバー犯罪・フィッシング詐欺などで狙われやすいサービスや、流出した場合の被害が甚大となる多くの個人情報を取り扱う企業などにおいて、より高いセキュリティ対策として多要素認証が導入されています。例えば、IDとパスワードを使って認証後、顔認証を行うことで、仮にIDやパスワードが流出してしまっても、顔認証を突破できないため、第三者による不正な利用を防ぐことが可能になります。実際に、企業はもちろん、自治体、学校などが多要素認証の導入をはじめています。また利用シーンとしても、Webやクラウドサービス利用時のログインのほか、VPN接続時など、多岐にわたります。

3. 入退室・勤怠管理

  • 出退勤や出欠の管理

    顔認証を統合したシステムに接続されたカメラをオフィスや学校に設置することで、顔認証をした最初と最後の時間を記録し、出退勤管理や、授業の出欠状況を記録することができます。顔認証を用いることでなりすまし行為を防ぐことができ、従来のICカードのみによる管理などと比べより確実かつ効率的な管理が可能となります。

  • オフィスや施設の入退室管理

    顔認証により、オフィスや施設における入退室管理を効率化するとともに、セキュリティを更に強化することができます。

    例えば、様々な会社が入居しているオフィスビルでは、顔認証を導入することで、許可された従業員、または事前に登録された訪問者のみ入館を許可することが可能です。さらに、入館が許可されている人物に対して立入り可能なエリアを管理する事で施設内での行動を制限、また記録することができます。

4. eKYCとフィンテックへの応用

本人確認は、法律で規制されている金融サービスでは必ず行われる行程です。金融機関は、顧客の身元を確実に検証して、ビジネスにおけるリスクを排除するために様々な努力や技術を駆使しています。顔認証を使用したeKYC(オンライン本人確認)は、顧客の顔と、スキャンまたはあらかじめ登録された身分証明書の顔写真を照合することで、オンラインでも確実な本人確認を行うことができ、多くのフィンテック企業で導入が進んでいます。

本人確認 (Know Your Customer=KYC)は、法律で規制されている金融サービスでは世界的に必ず行われる行程です。

eKYCのプロセス

  1. 運転免許証などの身分証明書を撮影すると同時に、顔の写真を撮影します。
  2. 顔認証システムを通して、身分証明書の写真と撮影された顔が照合されます。
ID写真をスキャン

ID写真をスキャン

顔写真またはビデオを撮影

顔写真またはビデオを撮影

1:1 顔の特徴点を比較

1:1 顔の特徴点を比較

顔認証による本人確の仕組みを理解したところで、その活用例を見てみましょう。

  • 口座開設

    ユーザーが顔写真を撮影し、運転免許証などの身分証明書をスキャンします。顔認証システムが撮影された顔と身分証の顔が同じ人物であるかを判断することで、オンラインでも安全且つ確実に口座を開設して銀行のサービスを使用できるようになります。

  • ATMのカードレス取引

    現金引出しのためにATMを訪れた際に、ATMに内蔵されたカメラにより、顧客の顔が撮影されます。撮影された顔写真は、事前に銀行のデータベースに登録された情報と照合され、暗証番号の入力などと組み合わせ本人確認が完了します。このようにカードレスで、ATM取引が可能となります。

5. スマートリテールとカスタマイズされた顧客体験

キャッシュレス決済や顔認証等の最新テクノロジーを駆使したショッピング体験ができる小売店を「スマートリテール」と言います。

顔認証は安全を守るだけではなく、小売業やサービス業でカスタマイズされた顧客体験を提供することにも役立ちます。

  • 顔認証決済

    POSデバイスとセルフレジ端末に顔認証を追加することで、登録された顧客にカードレスで安全非接触の決済方法を提供することができます。多額の決済の場合は、クレジットカードまたは身分証明書と組み合わせた多要素認証を行うことも可能です。食料品店をはじめとする小売店、ファストフード店や社員食堂に至るまで、様々な場所で使用することができます。

  • 顧客データの分析

    顔認証はデータ分析にも有効活用できます。顔認証機能を備えたデバイスで顧客の行動や属性データを記録できます。顧客が通路に立ち困った顔をしている、また目線の高さにある商品を購入することが多いなど行動パターンを収集および分析できます。顔認証とAIテクノロジーによって取得された行動パターンをもとに店舗運営者は、顧客がより良い購入体験を得られるよう対策をとることができます。

  • VIP顧客へのサービス提供

    顧客へのロイヤリティを向上させるためには、顔認証の活用はとても有効的です。店舗に設置された端末により、あらかじめ登録されたVIP顧客を識別し、入店時にスタッフに特別な対応を行うよう促すことができます。

    顧客へのロイヤリティを向上させるためには、顔認証の活用はとても有効的です。

    宿泊施設では、顔認証を使用して、ロビーを往来するVIPやゲストを識別することができます。飲食店の場合、登録されたリピート客をVIPとして識別して、追加の特典やサービスを提供することができます。

  • デジタルサイネージによるスマート広告

    デジタルサイネージ(電子看板)は、公共交通機関やショッピングモール、飲食店、小売店などで存在感と迫力のある広告を配信するためのツールとして近年広く普及しています。顔認証機能を備えたカメラをデジタルサイネージに追加することで、パーソナライズされた広告や情報を提供することができます。会員登録された顧客には、過去の購入記録や好みに基づきパーソナライズされたおすすめ情報を提案したり、会員以外の顧客にも顔認証による性別・年齢・表情などの属性分析に基づきより関連性の高い情報を表示することができます。

6. 公共施設・交通機関での活用

  • 公共機関での利用

    市役所など公共機関における顔認証の活用は、市民サービスの効率化やセキュリティ向上への寄与が見込まれるため、導入する自治体が徐々に増えています。例えば住民票の発行や証明書の発行に顔認証システムを導入して本人確認を行うことで、手続きが簡素化され、また不正な発行を防止することができます。これにより、待ち時間が短縮され、手続きがスムーズになります。

  • 駅改札での利用

    利用者は事前に顔写真を専用のアプリや駅の登録端末を通じて登録します。駅の顔認証専用改札口に利用者が近づくとカメラが顔を認識し、事前に登録されたデータと照合することで改札を通過できます。認証速度やハードウェア実装の難易度など課題はありますが、現在、いくつかの駅で試験的に導入が開始されており、今後徐々に普及が進んでいくことが見込まれています。

まとめ

顔認証技術についての理解を深め、顔認証システムの実用性をより身近に感じていただけたのではないでしょうか。顔認証システムは、施設のセキュリティ強化やオフィスの出退勤管理、eKYC、スマートリテールなど、さまざまな分野での活用が広がっており、今後もさらなる普及が期待されます。

しかし顔認証の実装には、ソフト面、ハード面の両方において留意すべき点が多数あります。技術面に関する詳しい解説は顔認証テクノロジー活用ガイドをご覧ください。

FaceMeに関する詳細情報、デモ、評価版、お見積もりをご希望の方は、ご連絡ください。

FaceMe®: サイバーリンクの顔認証トータルソリューション

FaceMe について
のお問い合わせ
FaceMe に関するお問い合わせ