近年、AI人工知能を取り入れたスマートヘルスケアが医療業界にて年々注目を集めるとともに増加しています。私たちの日常生活を豊かにするだけではなく、多くの業界で企業がデジタル化へ踏み出す大きな起点として、導入することを重視しはじめており、スマートヘルスケアもそのひとつといえるでしょう。今回は、医療業界がどのようにAIや最先端のIT技術をスマートヘルスケアに取り入れるのか、A I技術の中でも最も発達している顔認証をどのように医療や病院機関の業務効率化を進めていくのか?について、そして今後の発展傾向やトレンドもご紹介します。日本の医療機関をさらなる発展へと導く鍵となる情報をお届けいたします。
こちら記事では、スマートヘルスケア(スマート医療)に関する下記の内容をご観覧いただけます。
スマートヘルスケア(以下:スマート医療)とは、医療分野におけるAI人工知能技術を応用した医療です。 世界保健機関 (WHO) では、スマート医療 (スマートヘルス*EHelth) について医療ICT(情報通信技術)を活用して衛生と健康を支援する医療と定義されております。 デロイトトーマツ(Deloitte.)が発表した調査《2020 Global Health Care Outlook》内で、時代の流れとともにテクノロジーが医療業界のイノベーションを牽引し続けると綴っています。医療ICTにより、患者は最先端技術を受けられ、医療機関は業務効率化に繋がるなど多くのメリットが期待されています。 ちなみに医療分野で最も活用される新テクノロジーと言われる-人工知能(AI)・ブロックチェーン(Blockchain)・クラウド(Cloud)・データ(Data)・エッジ処理(Edge Computing)そして5G通信(Fifth Generation)の6つはちょうどアルファベット順の「A B C D E F」と表記でき、親しみやすく話題性があります。
人手不足は国内外問わず多くの医療現場で直面している深刻な問題です。これにより医療従事者の過労・長時間による受診待ちや医療ミスなどを引き起こす可能性が多発しています。コロナウィルスのような疫病が脅威を振るった近年、防護服の着用と直接接触を避けた感染防止対策はこれまでの医療のあり方を大きく変えました。
AIを取り入れたIT医療には、これまでの医療とは異なり多忙を極める各国の医療制度の業務効率化を促す5つの強みがあります。下記より見てみましょう。
顔認識は、現在の人工知能開発において最も発達している技術のひとつです。顔認証の活用範囲は幅広く多くの目的に応用できます。また、現存するすべての生体認証技術の中で最も安全かつ最速であるとされています。個人利用として一般的な顔認証決済や顔認証によるアクセス制御等に加え、さらに次の6つの分野に顔認証システムを適用できます。
顔認証がもっとも利用されているのが、異なる分野における立入禁止区域のセキュリティ管理です。医療施設内の複雑な立入区域に対応して、一般市民が出入する受診・治療区域のほか、出入りに制限を要する放射線室・生物実験室や集中治療室など区域ごとに登録してアクセス制御をすることできます。非関係者が特定区域に任意に立入り安全上の懸念が生じるのを未然に防ぐことに繋がります。
FaceMe Securityは、スマート監視システムのために開発された顔認証ソリューションです。高精度な認識率は、世界基準と評されるアメリカ国立標準技術研究所NIST FRVT 1:1 および 1:N テストにて最高ランクとされています。敷地面積が広いため多くの医療機関では、一般的に数百代以上の監視カメラを設置しています。FaceMe Security最大の特長は顔認証技術をMilestone・Network Optix Nx Witness・VIVOTEKなどの主流の映像管理システム(VMS)と連携して、膨大な監視カメラ映像を分析およびアクセスログを記録すると同時に、複数のカメラ映像のライブ監視と訪問者や職員を識別してアクセスコントロール、従来の肉眼での識別により引き起こされる見落としや過誤を軽減することができます。患者・職員・訪問者などさまざまな人物をより効率的に区別するため、事前に属性に応じてグループ化することができ、一度に複数の人物を検索する際に便利です。
映像管理システムを利用していない場合は、同時に最大9つのカメラ映像をライブ監視することができるFaceMe Security VMR アドオンをご利用になることをお勧めします。 VMR アドオンは、録画・検索および再生を同時にサポートするため、顔検索を使い特定の人物の動向を指定した日付・時刻・区域別に確認することができます。
FaceMe Security は、SlackやUメッセージを含む外部通信アプリと連動可能な通知システムAPIにより異常事態が発生した際に、不審者が侵入した区域を含む状況をリアルタイムで警備管理者へ警告通知および対応措置が実行され、発見から処置までの時間を短縮するとともに危険や損失を軽減することができます。
従来の面会訪問では、受付けやナースステーションでの許可を取らずに病室まで入ることができてしまうなど、安全性と外から持ち込まれる流行型疾患の感染予防等が懸念される部分が多く見られます。FaceMe SDKでは、医療機関に顔認証を導入したキオスク端末を設置して、患者と面会ご家族の同意のもとに、顔と情報をデータベースに登録します。これにより、患者が病室を入退室した際や面会者が訪問した際に、素早く受付けを済ませることができるほか医療機関も訪問者の把握をより手軽に行うことができます。
また、マスクの着用が求められる場所でもFaceMe SDKが役立ちます。FaceMe SDKは、マスクの着用状態を98.21%という高水準で的確に検出することができます。医療用マスクやN 95マスク・布マスクなど異なる生地や形状のマスクでも適切に着用しているか識別が可能です。
さらにカスタマイズしてご利用になることも可能、FaceMe SDKは複数のプラットフォーム(Windows, Linux, Android, iOS)に合わせて利用できる顔認証エンジンです。サーバー、ワークステーション、個人のパソコン、AI / IoTデバイスから実行が可能、用途にあわせて柔軟に構成できます。たとえば、コロナ対策として登場したオンライン診療は顔認識でより細かく患者の容態を観察でき、2D/3D生体認証によるなりすまし防止技術を使用して、患者の身元を確認してから処方箋を発行することもできます。
さらには、新規または退職した職員の出退勤管理も、管理者がWebコンソールにログインして、人事の追加と削除・人事データベースの管理、および高度なフィルタリング機能を使用して特定の従業員または部門の出席率を表示することが選択できます。人件費の計算の参考にしたり、CSVエクスポート機能を利用してバックアップをとったりと幅広く活用できます。
新型コロナウィルスの流行後、顔認証打刻システムの需要が近年倍増しています。
スマートホスピタルの事例として、台湾衛生福利部桃園病院(台湾・桃園市)ではFaceMe 顔認証による出退勤管理システムを導入、医療従事者は隔離患者の病室へ入室する前に、顔認証とサーマルカメラを活用した非接触型検温システムで体温を測定、登録された職員かつ健康な場合のみ入室できます。 このACE Biotekと共同開発したアクセス制御・検温スクリーニングシステムは、わずか0.5秒以内に10~30人の検温を行うことができ、FaceMeの顔認証による人数カウント機能により、施設内全体のアクセスコントロールができます。商業ビルや工場、キャンパスなどの大きな出入口がある全ての施設に適しています。
医薬品の安心安全管理は、国内外の医療機関がスマート医療の開発において近年非常に重視されている重要な要点のひとつです。薬棚に顔認証技術を導入し当直システムと連携させることで、本人確認を通過し、その日に予定された医療スタッフだけが薬棚を開けられるようアクセス制御ができます。従来の社員証と比較して、偽造が大幅に改善され、規制薬物の使用がより厳密に制御できるようになりました。
多要素認証・顔認証・スマート薬棚(自動調剤システム)などIoT技術を組み合わせることで、投薬の安全性が大幅に向上、また処方時間が短縮され医療サービスの質と利用満足度の向上が見込めます。
顔認証と感情の変化をリアルタイムで認識する機能を併用することで患者の経過観察や診断に運用するなど、顔認証の有効活用はさまざまで無限の可能性を秘めています。海外では、すでに医療機関で顔認証とリアルタイムの感情変化識別を結合して、患者の精神状態を記録するシステムへと応用開発が発展しています。顔認証とエビデンス(EBP)に基づいき、精神疾患患者により寄り添い適した治療を提供することが可能になるとされ、心理療法の分野における新たな突破口となります。
スマートフォンが普及している現代社会では、医療の質を向上させるため顔認証技術を看護医療関連アプリに導入する研究が進められています。スマホのカメラを使用して容態の識別を行うオンライン診療や健康状態に適した治療のアドバイスを提供するサービスなど患者と医療の関係性がより利便的で身近になる将来も遠くはありません。
自動化はスマート医療の大きな特色のひとつです。最近では、医療現場の人手不足等を解決すべく看護医療ロボットが誕生しました。顔認証を導入したAI(人工知能)ロボットはより確立された看護サービスを提供します。例えば、ロボットがカメラ前方の人物を認識した際、過去のデータを元に薬の服用時間を知らせたり、患者の喜怒哀楽を識別して交流モードを合わせて調整するなど患者ごとにカスタマイズされた看護を提供します。
近年、医療業界の未来に無限の可能性をもたらすべく、各政府機関も積極的にスマート医療の発展に協力しています。また高い医療水準を誇る台湾では、情報コミュニケーションテクノロジー (ICT)が盛んであること、ここ数年における顔認証技術の目まぐるしい成長、AI映像認証技術の応用により、今後の5~10年は台湾にとって発展のターニングポイントとなること間違いありません。それと同時に、スマート医療機器の革新的な発明は、医療機関がより便利で安全なサービスを確立することに大きく役立つでしょう。 近い将来医療機関は、機器の配置からデータベースの設立、そして技術の導入とデータのセキュリティ管理に至るまで全ての過程をソフトウェアとハードウェアの連動から構築することで、スマートホスピタルへと発展し、看護医療により良い新しい未来を切り開いて行く事となります。