世界がポストパンデミック時代を迎え、ウイルスとの共存が新しい日常となっています。それと共に、生体認証技術が発達し、多くの企業で社員の勤怠管理として顔認識システムの導入が進んでいます。タッチレスでの顔認証や体温測定により勤怠管理のスピード化や、接触感染リスクの大幅な軽減など、社員の健康を守る事が可能となります。 また、顔認証は入退室管理にも広く活用でき、入退室者の身元を把握することで、企業の財産やセキュリティ保護に役立ちます。 この記事では、顔認識技術を企業の入退室管理や勤怠管理システムに活用することで、感染症を予防し、ビジネスを円滑に進めるための方法をご紹介します。
新型コロナウイルスの主な感染経路は飛沫感染であるため、社会的距離を保つ・マスクを着用する・接触を減らす・定期的に手洗いをするなどが、現在用いられている最も効果的な予防方法です。 ここ数か月の間に、顔認証入退室管理機や顔認証勤怠管理システムなど、AI顔認識技術を活用したさまざまなソリューションが生まれ、非接触であることからオフィス、医療機関、学校、小売店などで使用され好評を得ています。防疫のためのマスク着用が標準仕様とも言える中、マスク検知機能を備えたAI顔認識システムは、企業が顔認証入退室管理を導入する際の大きな検討材料にもなっています。
また、新型コロナウイルスの主な症状のひとつに発熱があることから、公共の場やオフィスに出入りする際、体温を測ることも感染予防の一つです。 しかし、サーモガンで測ることは人との接触確率を高めるだけでなく、忙しいオフィスワーカーにとっては不便でもあり、コロナ後の時代に向けて健康管理と速やかな出勤・退勤の両立が企業にとって重要な課題と言えます。
世界的な流行が正式に沈静化する前に、企業にとってスタッフの健康管理は今後の重要な課題です。 毎日多くの人が出入りするオフィスビルで、入退館者の体温チェックやアルコール消毒を手動で行うための人員を配置する場合、出勤のピーク時に時間がかかる上、集団感染リスクも増加し、配置スタッフのコストも発生します。
また、例えば長年企業で運用されてきたタイムカードやIDカードには、同僚によるカードの不正使用、カードを忘れた際、事後にカードの精算を申請しなければならない手間、出張時等イレギュラーなタイムカード打刻時間による給与計算ミスなどが発生する欠点が多く残っています。 指紋認証による入退室管理システムという新しい仕組みがあっても、自分の指紋でカードを押す人がいることは避けられず、感染症流行期には接触型の生体認証技術である指紋認証の場合ウイルス感染も大きな懸念材料です。
近年、顔認証の応用の幅が広がっています。多くの企業は徐々に顔認証勤怠管理システムを導入し、新型コロナウイルスの感染拡大を効果的に防止するため、従来の指紋認証・パスワード入力・カードスワイプなどの入退室管理システムから移行しています。顔認証パンチカードシステムによって、企業は接触リスクを大幅に低減し、従業員の出勤管理を効率的に行うことができています。
FaceMe® Platform テクノロジーを採用した FaceMe® TimeClock は、顔認証と勤怠管理の統合ソリューションで、iPad、タブレット、ノートPCなどのブラウザ対応デバイスに簡単かつ迅速に導入できます。従業員は顔認証を使って出退勤を記録するだけで、人事部はWebベースのインターフェースと各種レポートを通じて従業員の勤怠記録と出欠率を確認でき、様々なフィルター(日付、部署、勤怠状況など)を使ってより詳細なデータ分析に利用することができます。
マスクで口元が隠れているというニューノーマルのもと、最新の顔認証出退勤システムを通し、入退室管理、ハードウェアと統合し、ワンストップ顔認証システム、インテリジェント健康監視ステーションを構築。人員の出入りを効果的に把握できるだけでなく、全員のマスク着用状況の監視、体温測定などを行い、社員の出勤、公衆衛生、人流管理という目的を達成することができます。
現在、市場では顔認証を取り入れた入退室管理システム、タイムカードシステムが主流:
以下の記事では、これら3種類の顔認証入退室管理ソリューションについて紹介します。
入退室管理装置は専用のハードウェアをオフィスや工場などの出入口に設置し、顔認証、非接触型カード、指紋認証、パスワードなどの複数の要素で入退室を計る装置です。 従業員の出勤データは、さらにERPシステムに送信して、出勤・退勤記録を管理することができます。
前述したように、非接触カードやパスワードはなりすましのリスクや、指紋認証にはウイルス感染リスクがあるため、入退室管理 カード機の主な認証方式として顔認識技術を採用する開発者が増えております。 また近年、AIコンピューティング機能を搭載したチップが普及し、低消費電力で低価格なSoC(Single System on Chip)でも歩行者の顔認証が可能となっており顔認証アクセス制御一体機を導入する企業も増えてきています。
サイバーリンクが開発したAI顔認識エンジン「FaceMe®」は、入退室管理機などのIoT機器に組み込むことで、出退勤の打刻や体温測定、マスク検出などさまざまな機能を同時に実現することが可能です。
AI技術「FaceMe®」を搭載した入退室管理インテグレーター
また、多くの工場やオフィスでは、入退室管理、温度計測、勤怠管理など多機能な監視ステーションとして顔認証が徐々に導入されています。 体温測定やマスクの検知がわずか数秒でできるほか、顔認証による入退室者の本人確認や、出勤・退勤の打刻を迅速に完了できるなどのメリットがあります。
AI顔認識技術「FaceMe」を搭載した入退室管理・出勤管理システム
IPベースのセキュリティカメラは、大規模なオフィス、工場、倉庫など、ほとんどの場所で長年にわたって使用されています。これらの設備には通常、数十台から数百台のセキュリティカメラが搭載され、画像処理と保存のために複数のセキュリティコンソールやNVRなどが設置されています。 警備担当者は、各種VMS(ビデオ・マネジメント・システム)を使って、複数の映像ストリームをリアルタイムに監視し、セキュリティ上の問題や侵入者の有無を肉眼で判断しています。
従来のIPセキュリティ機器は顔認証に対応していないため、入退室者を効果的に識別できず、警備員の疲労や過失によって入退室管理の漏れが生じやすくなっていました。 そのため、近年、セキュリティシステムに顔認証を組み込むニーズが急速に高まっています。
FaceMe® Security: 顔認識、マスク検出、健康チェックのセキュリティシナリオへの高速導入を実現。
サイバーリンクの FaceMe® Security は、PC、ワークステーション、サーバー上で動作し、既存のIP監視カメラと互換性のあるビデオ管理システム(VMS)に統合する、スマートなセキュリティのために設計されたソリューションです。AI演算機能を搭載したワークステーション(NVIDIAグラフィックカード搭載など)やエッジコンピューティングデバイス(NVIDIA Jetson Xavierやインテル® NUC、産業用コンピューターなど)を追加するだけで、スマートセキュリティ設備に顔認証、マスク検出、体温測定、勤怠管理などを速やかに統合することが可能です。
FaceMe® Securityは、顔認証による勤怠管理、健康状態の測定、リアルタイムモニタリングなど、職場における様々な用途に対応した幅広いAdd-On機能を提供しています。
新型コロナウイルスの流行と科学技術の発展の影響を受けて、企業はデジタル転換の挑戦に直面しています。オフィスワークへの復帰、あるいはハイブリッド勤務の管理など、顔認証による勤怠管理は企業にとって急務となっています。 顔認証と入退室管理システムの応用は、従業員の出退勤の記録だけにとどまらず、建設、小売、物流、倉庫などさまざまな業界で活用することができ、企業環境の安全性をより高めることができます。
正式に流行が終息するまでは、常にマスクを着用し、個人の衛生管理、安全確保に努めるべきです。 FaceMe® Securityでは、マスクを識別し、マスクを着用しているかどうか、口や鼻を覆う正しい方法でマスクをしているかどうかを効率的に判別することができます。 また、現在市販されているマスクには様々な種類や素材がありますが、FaceMe®は通常の医療用平面マスクの他に、N95などの3 D立体マスクも正確に識別できるため、企業が従業員の健康状態を管理するのに役立っています。
マスクをした状態では、取り込まれる顔の特徴が限定されるため、顔認識時に正しく本人確認することができず、一時的にマスクを脱ぐ必要がある状況をもたらし、ウイルスの伝染リスクを増加させてしまう恐れがあります。しかし、FaceMe®顔認識技術によるAIマスク検出システムは、顔認識アルゴリズムにより顔の特徴を正確に捉え、98.21%の精度で、異なる角度から顔を認識しながら同時に本人確認が可能です。
大規模な建設現場では、建設期間中、毎日数百人、数千人の人々が出入りします。多くのプロジェクトで派遣社員や請負業者が採用されており、大量の人の管理は時間がかかるだけでなく、企業に巨額の人的管理コストをもたらします。また、国外の工場や倉庫では、資産や業務の安全性を考慮し、より厳重な管理・運営が要求されます。
建設作業員と現場環境の安全管理を効果的に向上させるため、FaceMe® Securityは顔認識技術とビデオ管理システム(VMS)を統合し、IPカメラなどのワークステーションのリアルタイム監視、顔の特徴やデータ・データベースの比較、本人確認の完了などを通じて、インテリジェントな勤怠管理と複数人同時認証を可能にします。
ビデオ管理システム(VMS)を使用していない企業向けに、FaceMe Securityの機能群であるVMRアドオンにより、最大9枚の映像を同時にリアルタイムで監視、録画、再生することが可能です。FaceMe ® Security Centralを使用すれば、企業やオフィスビルのセキュリティ管理を強化し、より安全で安心な職場環境を実現できます。
すでに多くの商業施設やオフィスビルでは、顔認識システムをドアロックや電子錠などの他の第三者アクセス制御システムと統合しています。 工場や倉庫などのオフィス敷地内に従業員や訪問者が入る際、顔認証によって正しい本人確認を行った上で自動的にドアが開きます。企業のセキュリティやアクセス制御管理のニーズを考慮しながら、不審者の出入りの防止が可能となります。
タッチレスの時代がニューノーマルとなり、オフィスでの顔認証の利用がますます広がっていくでしょう。また、タッチレスのビジネスチャンスと未来のビジネス展開にも大きな可能性を秘めています。今回発表したFaceMe® Platformは、顔認証APIサービスで、スマートリテール、スマートファイナンス、スマートヘルスケア、スマートパブリックなどの分野で、今後、低コストで顔認証ソリューションを実現するための各種開発ツールやテストツールを提供いたします。