顔認証システムの活用事例10選|業界別の導入例と活用方法を解説〖2026年版〗
顔認証は、スマートフォンのログインだけでなく、入退室管理、勤怠管理、eKYC、二要素認証、防犯、決済、観光DXなど、さまざまな分野で活用されています。
本記事では、顔認証システムでできることや主なメリットを整理したうえで、2026年現在の代表的な活用事例を10種類紹介します。
この記事のポイント
- 顔認証は、本人確認だけでなく、セキュリティ、業務効率化、顧客体験の向上にも活用できます。
- 代表的な用途は、入退室管理、勤怠管理、二要素認証、eKYC、防犯・不審者検知などです。
- 近年は、人物検索・追跡、顔認証決済、観光・来場者分析、介護・見守りなど用途が広がっています。
- 導入時は、認証精度だけでなく、個人情報・プライバシー、なりすまし対策、既存システムとの連携も重要です。
顔認証システムとは?
顔認証システムとは、カメラで取得した顔画像から特徴を数値化し、あらかじめ登録された顔情報と照合して本人確認や人物特定を行う生体認証システムです。
1人の登録者と照合する「1:1顔照合」は本人確認やログイン、eKYCなどに使われ、複数の登録者から人物を検索する「1:N顔検索」は入退室管理、不審者検知、映像検索などに利用されます。
用途によっては既存のIPカメラ、パソコン、タブレット、入退室管理システム、VMSなどと連携できるため、顔認証専用端末だけでなく、さまざまなシステムへ組み込むことが可能です。
顔認証システムの主な機能
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顔検出
画像や映像の中から人物の顔を検出し、顔認証処理に利用できる領域を取得します。
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1:1顔照合
撮影された顔と、特定の登録済み顔情報を比較し、同一人物かどうかを判定します。eKYCやログイン認証などで利用されます。
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1:N顔検索
撮影された顔を複数の登録者データと比較し、該当する人物を検索します。入退室管理、ブロックリスト検知、映像検索などに利用できます。
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なりすまし対策
写真、動画、3Dマスクなどを使った提示型攻撃に対してはPAD(Presentation Attack Detection)を利用します。さらに、Deepfakeや仮想カメラなどを悪用した攻撃への対策も、オンライン本人確認では重要になっています。
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人物属性分析
年齢層などの属性を推定し、来場者分析やマーケティング用途に活用できます。本人確認を目的とする顔認証とは用途を分けて運用することが重要です。
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人物検索・追跡
顔認証や映像解析を活用して、録画映像の中から特定人物を検索したり、複数カメラ間で人物の移動を確認したりできます。
顔認証システムのメリット
- 本人の顔を利用できる:カードやパスワードのように紛失・置き忘れの心配がありません。
- 非接触で認証できる:カメラに顔を向けるだけで本人確認でき、利用者の操作負担を軽減できます。
- 業務を自動化しやすい:入退室、勤怠、受付、本人確認などのプロセスをシステム化できます。
- 既存システムと連携できる:用途によっては既設カメラ、VMS、アクセスコントロール、PC、モバイル端末などを活用できます。
- 多要素認証に利用できる:ICカード、パスワード、ワンタイムパスワードなどと組み合わせてセキュリティを強化できます。
一方、認証精度、個人情報・プライバシー、なりすまし攻撃への対策など、導入前に確認すべき点もあります。詳しくは顔認証のメリット・デメリットとは?導入前に知るべき問題点と対策をご覧ください。
顔認証システムの活用事例10選
顔認証は、セキュリティ分野だけでなく、本人確認、業務DX、顧客サービスなど幅広い用途で活用されています。代表的な活用例を紹介します。
1. 入退室管理・アクセスコントロール
オフィス、工場、研究施設、データセンターなどの出入口で、登録者の顔を照合して入室を許可します。ICカードを取り出す必要がなく、ウォークスルー型の認証にも活用できます。
高いセキュリティが必要なエリアでは、顔認証とICカードを組み合わせた二要素認証を利用することも可能です。
2. 勤怠管理・出退勤の記録
顔認証を勤怠管理システムと連携することで、本人の顔を使って出退勤を記録できます。ICカードの貸し借りによる代理打刻の防止や、カード紛失・再発行の負担軽減にもつながります。
導入事例)医療法人社団かけはし様、FaceMeを搭載したジョブカン勤怠管理のiPad顔認証打刻を導入
3. PC・業務システムの二要素認証
顔認証をパスワードやICカードなどと組み合わせることで、PCや業務システムへのログインセキュリティを強化できます。
顔は「生体要素」にあたるため、「知識要素」であるパスワードや「所持要素」であるICカードと組み合わせることで、多要素認証を構成できます。
導入事例)官公庁・自治体などにてFaceMe顔認証による二要素認証を導入
4. eKYC・オンライン本人確認
金融機関、保険、通信、各種オンラインサービスでは、本人確認書類の顔写真とユーザーが撮影した顔を1:1で照合することで、オンライン本人確認を支援できます。
実際のeKYCでは、顔照合だけでなく、本人確認書類のOCRや真贋判定、PAD、Deepfake検知、Injection Attack Detection(IAD)などを組み合わせ、本人確認プロセス全体を多層的に保護することが重要です。
導入事例)Yuanta Life:生体認証と本人確認を活用したリモート保険サービス
5. 防犯・ブロックリスト検知
商業施設、オフィス、工場などのカメラ映像と登録済みの顔情報を照合し、特定人物を検知した際にセキュリティ担当者へ通知できます。
運用時には、顔画像や顔特徴データの利用目的を明確にし、個人情報保護法や個人情報保護委員会のガイドラインを踏まえた適切な管理が必要です。
6. 人物検索・映像調査
大量の監視映像を人が最初から確認する代わりに、顔画像や人物の外見的特徴を利用して候補映像を絞り込むことで、調査時間を短縮できます。
複数カメラを利用する施設では、人物がいつ、どのカメラに映ったかを確認し、移動経路の把握に活用することもできます。
7. 顔認証決済・セルフサービス
事前登録されたユーザーの顔を決済アカウントと紐付け、セルフレジや無人店舗などで本人確認に利用できます。決済額やリスクに応じて、PINやスマートフォン認証などを追加することも考えられます。
FaceMeは、大学キャンパスの無人店舗などでも顔認証決済に活用されています。
8. 小売・店舗での顧客体験向上
本人の同意や適切なデータ管理を前提として、会員やVIP顧客を認識し、スタッフへの通知やパーソナライズされたサービスの提供に活用できます。
また、個人を特定しない属性分析を利用し、来店者の傾向や施設利用状況の把握に役立てることもできます。
9. 観光施設・公共施設での来場者分析
観光施設や公共施設では、来場者の属性や人流を分析し、施設運営やプロモーションの改善に活用できます。
顔認証技術を本人確認だけでなく、来場者分析や施設DXへ応用する事例も増えています。
10. 介護・医療施設での見守り支援
介護施設や医療施設では、登録者を出入口などで検知し、必要に応じて職員へ通知することで見守り業務を支援できます。
顔認証を利用することで、利用者の安全確保と職員の負担軽減を両立する仕組みへの活用が期待されています。運用にあたっては、利用目的、本人や家族への説明、データの保存方針などを明確にすることが重要です。
顔認証システム導入時に確認したいポイント
顔認証システムは用途が広い一方、目的に合ったシステムを選ぶことが重要です。導入前には、以下を確認しましょう。
- 認証方式:1:1照合と1:N検索のどちらが必要か
- 認証精度:実際のカメラ、照明、顔の角度、利用人数で十分な精度を確保できるか
- なりすまし対策:なりすまし検知、ディープフェイク検知、インジェクション攻撃検知など用途に応じた対策があるか
- 処理方式:エッジ、オンプレミス、クラウドなど運用要件に合っているか
- 既存システムとの連携:VMS、入退室管理、勤怠管理、モバイルアプリなどへ統合できるか
- 個人情報・プライバシー:利用目的、保存期間、アクセス権限、告知方法などが適切に設計されているか
顔識別機能付きカメラを利用する場合は、個人情報保護委員会が公開している情報も確認し、目的や運用方法に応じて適切な対応を行う必要があります。
まとめ
顔認証システムは、入退室管理や勤怠管理だけでなく、二要素認証、eKYC、防犯、人物検索、顔認証決済、来場者分析、見守り支援など、幅広い用途で活用されています。
一方で、用途によって必要となる認証方式、精度、なりすまし対策、個人情報保護の要件は異なります。導入時には「顔認証を使うこと」自体を目的にするのではなく、解決したい課題に合わせてシステム構成を検討することが重要です。
FaceMeの具体的な導入事例については、AI顔認証システム導入事例をご覧ください。