AI/IoTと顔認証
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AI/IoTと顔認証

2020/12/18

モノのインターネット(IoT)は、インターネットに接続するデバイスを通じて、スマートシティ、スマートホーム、スマートオフィスなど、日常生活の多くの場面で急速に浸透しています。AIがチップセットなどのIoTデバイスのインフラストラクチャに組み込まれることで、機械学習の力を最大限に発揮することができるようになります。AI/IoTはインターネットに接続されたデバイスで目的のタスクを実行できるだけではなく、機械学習を通じて絶えず改善されることで、より大きな価値を提供できるようになります。これにより、よりスマートで効率的なオペレーションが可能になり、ユーザー体験を大幅に向上させることができます。

AI/IoTを構成する機械学習とIoTは、ネットワークに接続される事によって多くのイノベーションをもたらします。さらに、顔認証とAI/IoTと組み合わせることで、様々な企業や業界、消費者にとって、より魅力的なソリューションを提供できるようになります。

AI/IoTの一般的な用途

AI/IoTは革新的なテクノロジーであり、それが多くのビジネスにどれだけの価値をもたらすかは計り知れません。今日におけるAI/IoTの一般的な用途をいくつかご紹介しますが、これらはAI/IoTの持つ可能性のほんの一部にすぎません。

アクセス制御

AI/IoTが広く用いられている用途の1つがアクセス制御です。アクセス制御はドアやキャビネットのスマートロック、モバイルデバイスへのログインなど、様々な形で提供されています。スマートロックやドアアクセスにAIテクノロジーを利用することで、特定のルールに基づくアクセス制御を行うことができます。例えば顔認証などの生体認証技術を用いて、社内の許可された人が、平日の勤務時間内のみロックを解除できるといったルールを設定することができます。

スマートサイン

AI/IoTのもう1つの有力な用途は、デジタルサイネージとインタラクティブ端末です。特に後者は、昨今の感染症状況において採用案件が非常に増えています。例えば、入口に設置された端末でユーザーに質問し、店舗やレストランに入る前に健康状態をチェックできます。ユーザーの回答に応じて、AI/IoTデバイスは次の質問や適切なアクションを提示できます。

セキュリティ強化

近年、住宅市場と商業市場において、セキュリティの強化のためAI/IoTベースのデバイスが広く普及しています。ネットワークプロバイダーによって完全なサービスパッケージとして提供される場合もあれば、エンドユーザー自身がデバイスを導入し、自宅のネットワークに接続するような場合もあります。これらのソリューションには、動体検出や侵入者のアラート、リモートでプログラム可能なアクセスコードなどのAIベースの機能が統合されており、住宅や施設向けの強力なリモートセキュリティを短時間で構築することができます。

ビジョンテクノロジーとAI/IoT

上記のようなAI/IoTの用途において識別、認証、およびアクセス制御を行うためにビジョンテクノロジーを使用します。ビジョンテクノロジーは、生体認証テクノロジーとも呼ばれます。一般的には、顔認証、指紋認証、虹彩認証が知られています。

虹彩認証は、虹彩の固有のパターンを検出することで個人を特定します。顔認証技術は、顔の特徴点を抽出して個人を特定します。指紋認証は、専用のセンサーを利用して指紋のパターンを検出することで個人を特定します。

虹彩認証に関しては、対応するカメラが限られており、価格も比較的高価であるというデメリットがあります。顔認証は、市場で広く普及しているカメラを使用できる点で虹彩認証よりも有利です。いっぽう指紋認証では、指の汚れや皮脂が原因でセンサーが指紋を識別できない、またこういった汚れによってセンサーが損傷するなどの物理的な接触が必要となり、それに伴う問題が発生する可能性があります。

これら3つの認証手段を比較すると、顔認証は正確さ、柔軟性、コスト、衛生面などの面で大変優れています。そのため、この記事の残りの部分では、顔認証を使用してAI/IoTを強化し、新たな場面でAI/IoTを利用していく方法を探っていきます。

顔認証をAI/IoTに統合し、既存のAI/IoT用途を強化する

顔認証によってAI/IoTデバイスとその用途の価値を高め、より多くの分野で利用することができるようになります。いくつかの例をみてみましょう。

アクセス制御と個人認証

アクセス制御のためのAI/IoTについては以前に触れましたが、ここでは、これらの用途を強化するために、顔認証技術をどのように利用できるかをご案内します。

顔認証は、住宅、マンション、商業施設などのアクセス制御およびセキュリティを一変させる可能性を持っています。顔認証技術によって、カメラの前にいる個人を非接触で正確かつ瞬時に識別し、許可された人物のみを入場させる、またブラックリストに載っている人物や侵入者を検出した場合に即座にアラートを送信することができるようになります。

オフィスや商業施設などでは、顔認証をタイムレコーダーとアクセス制御システムに統合することで、勤怠管理のプロセスを合理化できるとともに、他人のアクセスカードを使用して許可されていないエリアへの入場を試みるといったリスクを排除することができます。

アクセス制御や個人認証の用途は、住宅や施設の保護だけにとどまりません。例えば工場や倉庫では、たいていの機械は指定された担当者のみが使用できるようになっているはずです。機械を使用するために物理的な鍵または暗証番号を必要としている場合もありますが、どちらも紛失または漏洩してしまうリスクがあります。機械が顔認証技術を備えることで、指定された担当者にのみ使用を許可でき、適切な管理でリスクを低減しセキュリティを高めることができます。さらに、勤務時間内にのみ機械の使用を許可するといったルールを設けたい場合は、AI/IoTデバイスにそのような条件をプログラムすることが可能です。

パーソナライズされたユーザー体験

顔認証を使用する事によって、様々な方法でユーザー体験を向上させることができます。

その典型例がスマートリテールです。店舗に顔認証AI/IoTデバイスを設置することで、VIP顧客の来店を検知し、スタッフに挨拶を促すというような対応を取ることができるようになります。

AI/IoTデバイスはデータの分析にも利用できます。通常スマートリテールでは、顔認証を備えたAI/IoTデバイスによって、顧客のふるまいを分析しデータ化することができます。通路に立って困った表情をしている、鏡のそばを通るときに笑顔になっているというような顧客のふるまいをAIによる顔認証技術でとらえることで、店舗のレイアウトを変更するなどの対策を取ることができ、その結果よりよいユーザー体験を提供できるようになります。

AI/IoTによる個人認証、なりすまし防止

昨今、いわゆるeKYC認証などのサイバーセキュリティ用途の需要が急速に高まっています。顔認証技術によって、銀行口座の開設、クレジットカードの申請、ATMでの取引、モバイルバンキング、保険サービスの契約、リモートカスタマーサービスなどにおいて安全で正確な個人認証、二要素認証を行うことができます。手順は非常にシンプルで、ユーザーは本人確認書類を撮影(またはファイルをアップロード)し、次に案内にしたがって顔を撮影するだけで本人認証を完了することができます。

顔認証による、新しいAI/IoT 使用用途の実現

顔認証と関連するハードウェアの絶え間ない革新によって、FaceMe® をはじめとしたエッジベースの顔認証とAI/IoTには計り知れない可能性が生まれています。

エッジベースの顔認証とは、顔認証技術がIoTデバイス側に組み込まれ、クラウドやネットワークでの処理を必要としないケースを指します。スマートロック、スマートフォン、POSデバイス、インタラクティブ端末、デジタルサイネージなどで用いられている顔認証がこれにあたります。エッジベースのIoTデバイスは、ミリ秒以内というきわめて短い時間で正確な顔認証を実行できます。処理を劇的に高速化できることに加え、クラウド上での処理を必要せず、デバイス内で処理を完結出来る事からデータセキュリティ上のリスクも少なく、またコストも大幅に削減できます。

優れたエッジベースの顔認証AI/IoTソリューションは、非常に正確で、画像やカメラ映像をすばやく処理し、暗号化されたデータをハードウェア、プラットフォーム、およびプログラムの間でセキュアにやり取りすることができます。エッジベースのAIの利点と可能性はハードウェアメーカーの間でも明確に認識されており、これらのソリューションのためのテクノロジーを再構築し、より強力で低コスト、低電力なAIチップを開発する競争が巻き起こっています。その中でも、トップメーカーとして評価を得ているいくつかのメーカーをご紹介します。

  • チップセット:Intel OpenVINO, Intel Movidius, NVIDIA Jetson, Qualcomm Snapdragon, Broadcom Raspberry, MediaTek i350, など
  • 産業用ローコストPC、小型PC:Advanteck with FaceView, SuperMicro workstations, Brightsign devices, など
  • ローコストカメラ:Logicool USBカメラ(一般的な用途向け), VIVOTEK IPカメラ、elo cams 温度検知カメラ, など

顔認証とAI/IoTの興味深く新しい用途のいくつかは、これらの強力で手ごろな価格のエッジベーステクノロジーにより構成されています。

ヘルスケア端末 & マスク検出

昨今の感染症状況において、公共およびプライベートな空間で個人の健康と安全を保つことは最優先事項となっています。マスクの着用も新しい行動様式として定着しました。多くの場所で、入場者数を制限する必要も生じています。このような状況において、AI/IoTと顔認証が連携したヘルスケア端末の重要性が高まっています。顔認証機能を搭載した端末は、カメラ映像の人物がマスクを着用しているか、マスクが適切な状態で着用されているかを判断することができます。温度検知機能を備えたカメラを利用して体温を測定することで、発熱している人物の入場を防ぐとともに、担当者へアラートを送信して適切な対応をとることができるようになります。

ヘルスケア端末とFaceMe® のパートナーシップについては、下記をご覧ください

インタラクティブな顧客体験

顔認証とAI/IoTでパーソナライズされた顧客体験を提供できることは以前に説明しましたが、ここでは、これらのソリューションにより、どのようにしてインタラクティブで価値ある体験を顧客に提供できるかをご案内します。

多くの小売業者はいかにして顧客の関心を維持し、店内での時間を楽しんでもらうかを追求しています。デジタルサイネージはショッピングモールや小売店舗で人気を得ており、コンテンツ管理システムを通じて更新可能なリッチなメディアコンテンツを提供しています。近年、顔認証を低コストでサイネージに組み込めるようになったことで、サイネージを見ている人物の性別、年齢、気分などの要素に応じて表示するコンテンツを変えることができるようになりました。さらに、登録を行った会員向けに、以前の購入履歴やその他のデータに基づいてパーソナライズされたコンテンツを提供することも可能になります。

商品の選択と決済機能を追加することで、デジタルサイネージをよりインタラクティブなサービス端末に変えることもできます。事前に登録した顧客を顔認証によって識別し、特別なオファーを提示したり、必要に応じてバーチャル試着を行ったりと、個人に最適化されたショッピング体験を提供することができます。また、顔認証を利用することで、完全な非接触決済を実現することもできます。

スマート医薬品キャビネット

AI/IoTはヘルスケアイノベーションを推進するための重要な要素であり、スマート医薬品キャビネットはその可能性の1つです。顔認証を実装することで、迅速で衛生的な非接触認証に加えて、扱いに注意の必要な医薬品に対するより優れたセキュリティとアクセス制御を実現できます。その他、勤務シフトに応じて、指定された担当者にのみアクセスを許可するといったスケジュール管理機能など、セキュリティ対策だけではない大きな価値を追加することができます。

FaceMe® は、これらを含めた多くの用途に役立つ、優れたエッジベースの顔認証ソリューションです。様々なデバイスへ容易に実装可能で、市場に普及している多くのチップセットやOSをサポートしています。FaceMe® のAIエンジンはNIST顔認証ベンダーテスト(FVRT)で最高レベルの精度を記録しており、アクセス制御、公共サービス、スマートバンキング、スマートリテール、スマートシティ、ホームセキュリティといった様々な用途で利用できます。

AI/IoTとビジョンテクノロジーの未来

顔認証は、AI/IoTテクノロジーの未来を実現する最も重要な要素です。顔認証によりAI/IoTソリューションはより安全に、よりスマートに、より人間に寄り添う事ができるでしょう。

しかし、その可能性を最大限に引き出すためには、まだ解決すべき障壁が残っています。ハードウェア固有の制限などの物理的なものもありますが、プライバシー保護やデータセキュリティについての懸念などの社会的な障壁もあります。

まず、物理的な制限について検討する場合は、すべてのアプローチに1つのサイズ感で対応できるわけではないことを覚えておくことが重要です。すべてのビジネスには様々なニーズと予算が存在し、それらにニーズに合わせた適切なソリューションを見つける必要があります。優れた顔認証ソリューションは、それぞれのビジネスにおけるニーズと用途に合わせて柔軟にスケールアップ、またはスケールダウンすることができます。

また、顔認証技術をより効果的に運用するためには、精度を考慮しながら環境をコントロールすることが重要です。照明、カメラの位置、レンズがクリーンであるかなど、精度を低下させる可能性のある要因には特に注意を払う必要があります。

プライバシー保護など社会的な障壁に関しては、顔認証が監視に利用され、また偏見を助長するなどといった批判が存在します。しかしこれらの指摘は、テクノロジーを放棄する必要があることを意味しておらず、むしろセキュリティ強化や利便性、新たな体験の創出など、顔認証の持つ多くの利点を正しく説明していくべきです。また、テクノロジーの倫理的な利用について、公的機関や民間団体と連携し、より適切な規制や対応、利用者への告知を行っていく必要があります。

私たちの世界をより良くする事が可能な顔認証技術への関心は高まるばかりです。また昨今の感染症状況において、多くのテクノロジーサプライヤーは、生体認証テクノロジーを搭載したAI/IoT機器がますます重要になるだろうと語っています。

私たちは顔認証に大きな可能性を見出し、テクノロジーの発展に取り組んでいます。企業が必要とし、消費者が快適に利用できるソリューションを提供し、より安全な非接触環境と、新たな素晴らしいユーザー体験の創出に貢献していきます。

顔認識の概要、その仕組み、および導入方法については、エッジデバイスによる顔認証をご覧ください.

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