顔認証とAI/IoTの融合による5つの用途
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顔認証とAI/IoTの融合による5つの用途

2023/01/03

近年、モノのインターネット (Internet of Things) 通称IoT は世界中を席巻しています。IoTは、インターネットに接続されたさまざまなデバイスを通じ情報を読取り送信します。今日この技術は、家庭や職場、そして都市をよりスマートにすべく、私たちの暮らしに少しずつ浸透しています。IoTと人工知能(AI)技術を組み合わせたものがAI/IoTです。AI/IoTの機械学習とディープラーニングによって、デバイスやシステムの操作がよりスマートで効率的になり、ユーザーの使用体験を大幅に向上させることができます。

そして、顔認証システムをAI/IoTと組み合わせることで、様々な産業や消費者にとって魅力的な体験を提供することになります。今回は、そんな顔認証とAI/IoTの融合により広がる活用事例をご紹介いたします。

顔認証技術によりAI/IoTを暮らしに取り入れる

顔認証と関連するハードウェアの革新により、FaceMe® をはじめとしたエッジベースの顔認証とAI/IoTには計り知れない可能性が生まれています。エッジベースの顔認証とは、顔認証システムがIoTデバイス側に組み込まれ、クラウドやネットワークでの処理を必要としない場合を示します。スマートロック、スマートフォン、POSデバイス、インタラクティブ端末、デジタルサイネージ(電子看板)などで用いられている顔認証がこちらにあたります。エッジベースのIoTデバイスは、ミリ秒以内というきわめて短い時間で正確な顔認証を行えます。処理を劇的に高速化できることに加え、クラウド上での処理を必要とせず、デバイス内で処理を完結出来るためセキュリティ上のリスクも少なく、コストも大幅に削減できます。

優れたエッジベースの顔認証AI/IoTソリューションは、非常に正確で、画像やカメラ映像をすばやく処理して、暗号化されたデータをハードウェアやプラットフォーム、およびプログラム間で安心安全に管理することができます。

AI/IoTは革新的なテクノロジーであり、その技術が秘めた可能性は多くの分野に多大な価値をもたらすこととなるでしょう。この記事では、今日におけるAI/IoTの一般的な用途をいくつかご紹介しますが、これらはAI/IoTの持つ可能性のほんの一部にすぎないのです。

顔認証のAI/IoTにおける一般的な用途・活用

AI/IoT は、多くの分野や企業の発展にとって前進を促す革命的な新技術です。最も一般的な用途や活用の事例をいくつか見てみましょう。

1.アクセス制御と本人確認

AI/IoTが広く用いられている用途の1つがアクセス制御です。アクセス制御は出入口や薬品キャビネットのスマートロック、モバイルデバイスへのログインなど、様々な形で提供されています。スマートロックや入退室アクセスにAI技術を利用することで、特定のルールに基づくアクセス制御を可能にします。例えば、顔認証などの生体認証技術を用いて、社内の許可された者のみが、平日の勤務時間内にだけロックを解除できるといったルールを設定することができます。

顔認証技術によって、住宅、マンション、商業施設などのアクセス制御およびセキュリティを強化することができます。カメラの前にいる人物を非接触で正確かつ瞬時に識別し、許可された人物のみを入室させたり、ブラックリストに載っている人物や侵入者を検出した場合は即座に警告を送信することができるようになります。

オフィスや商業施設などでは、顔認証をタイムレコーダーとアクセス制御システムに連携させることで、退勤管理 のプロセスを合理化できるとともに、他人のアクセスカードを使用して許可されていないエリアへの入場を試みるといったなりすまし等のリスクを排除することができます。

アクセス制御や個人認証の用途は、住宅や施設の保護だけにとどまりません。例えば、工場や倉庫では、一般的に機械機器や大型設備は限られた管理者のみが使用できるようになっているはずです。使用するためには、物理的な鍵または暗証番号を設備している場合もありますが、どちらも紛失または漏洩のリスクがあります。顔認証技術を完備することで、指定された管理者のみに使用を許可でき、適切なアクセスコントロールでリスクを軽減してセキュリティを強化します。さらに、勤務時間内にのみ機械の使用を許可するといったルールを設けたい場合、AI/IoTデバイスにそのような条件を設定することも可能です

2022年6月には、AI顔認証エンジン「FaceMe®」のパートナー企業、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社がFaceMe SDK 顔認識エンジンを導入した「検車情報システム」が、トヨタ自動車の車両品質管理の向上を目的に採用されました。顔認証により非接触で本人確認を行うことで、工場内でのウィルス感染リスクを低減することができます。

成功事例: サイバーリンクFaceMe® が搭載された伊藤忠テクノソリューションズ(株)の「検査情報システム」がトヨタ自動車の車両品質管理に採用

2.セキュリティと保護

近年、住宅や小売販売業界において、セキュリティの強化のためAI/IoTベースのデバイスが広く普及しはじめています。メーカーが提供する完全なサービスの場合もあれば、ユーザー自身がデバイスを導入して自身のネットワークに接続することができます。 生体認証や侵入者の警告、リモートでプログラム可能なアクセスコードなどAIベースの機能が搭載されており、住宅や施設向けの強力なリモートセキュリティを短時間で構築することができます。

3.デジタルサイネージや進化する顧客体験

多くの小売業者はいかに顧客の関心を維持して、店内での時間を楽しんでもらうかを追求しています。顔認証とAI/IoTで個人仕様にパーソナライズされた顧客体験を、如何にして消費者の参加を意識した価値のある顧客体験を提供できるかはとても需要なポイントです。

コンテンツ管理システムを通じて更新可能な上、迫力があり壮大なコンテンツを提供できるためデジタルサイネージ(電子看板)は、ショッピングモールや小売店舗で人気があります。近年、顔認証を低コストでデジタルサイネージに搭載できるようになり、画面を見ている人物の性別、年齢、気分などの要素に応じて表示するコンテンツを変えることができるようになりました。さらには、登録会員向けに、過去の購入履歴やその他のデータに基づいて個人仕様されたコンテンツを提供することも可能になります。

また、商品の選択と決済機能を追加することで、デジタルサイネージをより相互性のあるサービス端末として活用することもできます。事前に登録した顧客を顔認証によって識別して、特別なクーポンを提供したり、必要に応じてバーチャル試着を行ったりと、個人に最適化されたショッピング体験を提供します。そして、顔認証を利用することにより完全な非接触決済を実現することもできます。

4.ヘルスケア

昨今の新型コロナウィルスの流行により、公共およびプライベートな空間で個人の健康と安全に対する意識と関心が高まりました。また、マスクの着用や入場制限で感染対策を行う場所や施設も急増しました。このような状況で、AI/IoTと顔認証が連携したヘルスケア端末の重要性が高まっています。顔認証機能を搭載したキオスク端末は、映像の人物がマスクを着用しているか、マスクが適切な状態で着用されているかを判断することができます。温度検知機能を備えたカメラを利用することで体温も測定でき、発熱している人物の入場を防ぐとともに、担当者へ通知をして適切な対応をとることができるようになります。 ヘルスケア端末とFaceMe® のパートナーシップについては、下記をご覧ください

成功事例: FaceMe®マスク検出ソリューションとMPSによる従業員や顧客の健康と安全の確保

5.デジタル化する本人確認(eKYC)

昨今、いわゆるeKYC認証などのサイバーセキュリティ用途の顔認証需要が急速に高まっています。顔認証技術により、銀行口座の開設・クレジットカードの申請・ATMでの取引・ファインテック・保険サービスの契約・リモートカスタマーサービス等で安全かつ正確な個人認証、二要素認証を行うことができます。また、顔認証を導入することで正確な本人確認だけではなく、なりすまし防止の強化にも繋がります。

手順は非常にシンプルで、ユーザーは本人確認書類を撮影(またはファイルをアップロード)し、案内にしたがい顔を撮影するだけで本人認証を完了することができます。

AI/IoT装備で快適な暮らしをするならFaceMe®顔認証ソリューション

FaceMe® は、上記で紹介した運用や他にも多くの用途に役立つ優れたエッジベースの顔認証ソリューションです。様々なデバイスへ容易に装備可能で、市場に普及している多くのチップセットやOSをサポートしています。FaceMe® のAIエンジンはNIST顔認証ベンダーテスト(FVRT)で最高レベルの精度を記録しており、アクセス制御、公共サービス、ファインテック、スマートリテール、ホームセキュリティといった様々な用途で利用できます。

AI/IoTと顔認証技術の未来

顔認証は、AI/IoTテクノロジーを更なる発展へと導く重要な要素であり、AI/IoTソリューションがより安全でスマートに私たちの暮らしに寄り添う架け橋となるでしょう。しかし、その可能性を最大限に引き出すためには、まだ解決すべき課題が残っています。ハードウェア特有の制限など物理的なものもありますが、プライバシー保護やデータセキュリティについての懸念など社会的な課題もあります。

物理的な制限については、すべて同様の方法で対応できるわけではないことを忘れてはいけません。すべてのビジネスには様々なニーズと予算が存在し、それらに合わせた適切なソリューションを見つける必要があります。優れた顔認証ソリューションは、それぞれのニーズと用途に合わせ柔軟に規格の調整を行うことができます。また、顔認証技術をより効果的に運用するために、照明やカメラの位置など物理的な環境を整えることも重要です。

プライバシー保護など社会的な課題に関して、顔認証での監視・悪用をされる可能性や偏見を助長する等の指摘があります。しかし、これらは我々がこの技術を断念する必要があるというわけではなく、むしろセキュリティ強化や利便性、新たな体験の創出など、顔認証の持つ多くの利点を正しく説明していく必要があるということを意味しています。テクノロジーの倫理的な利用について、公的機関や民間団体と連携をして、より適切な規制や対応、利用者への告知を行っていく必要があります。

我々は、顔認証のこれからに大きな可能性を見出し、さらなるテクノロジーの発展に取り組んでいます。企業から必要とされ、消費者が快適に利用できるソリューションを提供することで、「より安心安全な非接触環境」と「新たな素晴らしいユーザー体験」の創出にこれからも貢献していきます。

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