スマート AI 人物追跡技術が実現する、既存のセキュリティシステムの更なる進化
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スマート AI 人物追跡技術が実現する、既存のセキュリティシステムの更なる進化

2023/04/28

商業施設や空港・駅などの大型施設では、不審者による問題、お年寄りや子供の迷子など、さまざまな問題が発生しています。多くの場合、不審者の追跡や迷子の捜索のために、監視映像に頼らなければならないことがあります。しかし、ほとんどの施設で使用されている既存の監視映像では、いくつかの欠点が生じる可能性があります。たとえば、大規模施設には多数のセキュリティカメラが設置されていますが、各カメラの映像を手動で分析および監視、尚且つ追跡対象の人物を特定するには、多くの人手と時間がかかります。その為、迅速な対応を行うことが難しくなります。

このような場合、スマート AI 人物追跡技術 (People Tracking) を使用することで多くの利点をもたらします。システムは対象者の服装や体型などを自動的に識別して、年齢(大人・子供)・性別・服装(色など)・アクセサリー、その他の特徴から特定の人物を追跡、分析プロセス全体をより自動化かつ効率的にします。

映像セキュリティ分析システム及び人物追跡

映像セキュリティ分析システム(Video Surveillance Analytics)とは?

映像セキュリティ分析システムは、コンピュータービジョンのアルゴリズムおよび技術を利用して、監視カメラで撮影された映像素材から適切な洞察と情報を抽出してAI技術を加えることで、映像内の人物・車両・物体などを自動的に識別して分析します。行動の軌跡と特徴を分析し、そこから必要な情報を抽出します。

映像監視分析システムは手動で監視することなく、映像を自動的に分析して、警備員やオペレーターに異常を報告します。さらに、その後の調査・検索や分析のために映像を長期間保存することもできます。映像監視分析は、法執行機関・運輸・小売・医療・製造など、さまざまな業界で多種多様に運用でき、脅威や危険の検出・犯罪の防止・状況認識の向上によりセキュリティを強化させるための貴重な洞察を提供します。

人物追跡(People Tracking)とは?

人物追跡(People Tracking)とは、監視映像に映る人物を追跡・分析する技術です。通常は AI 画像解析アルゴリズムを用いて映像内の人物のシルエットや特徴を特定し、その動きのパターンを追跡および分析することで、選択した人物の位置・移動速度や方向などの情報を正確に追跡できます。

主な用途としては、足跡の識別および分析をもとに、行動範囲・移動経路・行動パターンなどの情報を把握、さらにセキュリティ管理や犯罪追跡、迷子の発見などの業務を実行することです。人物追跡技術は、オフィスビル・大型商業施設・公共施設・空港や地下鉄駅等の人の流れが多い場所など、公共の安全やスマートシティなどの分野で広く使用できます。人物追跡技術を使用して公共施設のセキュリティを強化、またそれ以外のサービスも提供できます。

人物追跡によってどのように映像セキュリティ及び分析システムを向上させるか?

映像セキュリティ分析システムは、人物追跡技術を追加することでさらに強化できます。具体的には、下記のような応用が可能です。

  1. 人物認識率の向上: 映像セキュリティ分析システムに人物追跡技術を追加することで、人物の認識率を向上させることができます。人物の年齢・性別・外見・服装などを追跡することで、システムはより正確に人を識別できるため、誤検知率が低下します。
  2. 犯罪検知能力の強化: 人物追跡技術は、人々の移動経路や活動範囲などの情報を分析することで、警察による犯罪の検出と追跡をサポートします。たとえば、ある人が特定の場所に長時間滞在したり、同じ場所を繰り返し訪れた場合には、疑わしい行動を示している可能性があります。強盗事件では、システムは容疑者の動向を追跡することで、警察が容疑者を迅速に特定するのに役立ち、検挙率を向上させることができます。

人物追跡技術に組み込まれているAI技術とは?

1. 人物の再照合(Person Re-identification)

人物の再照合は、人物の全身映像を通じて複数のカメラ間で追跡することで、異なるカメラ内に映る同一人物を見つけることです。これは、外見や他の特徴(服装、身長や歩き方)に基づき、さまざまなカメラから人物を照合します。

一般的な人物再照合システムでは、まず1台のカメラが人物を検出・追跡し、次にシステムはその情報をもとに他のカメラで同一人物を照合します。カメラデバイスの違い、歩行者の外見的特徴(服装や姿勢)、撮影範囲、不明瞭さ、画角等の影響を受けやすく、スマートビジョンの分野では、歩行者の再認証は実用的かつ挑戦的な課題となっています。

これらの課題を克服すべく人物の再照合システムは、特徴抽出・計量学習・深層ニューラルネットワークなどの高度なAIアルゴリズムと技術を駆使して、人物の外見から固有の特徴を抽出、異なるカメラ間で視覚的な比較を可能にするシステムです。 人物の再照合は、広い公共空間での容疑者の追跡や、混雑した場所での行方不明者の特定など、映像監視において多くの応用が可能です。

2. 人物属性認識(Person Attribute Recognition)

ターゲットの画像がなくても、特徴(例:性別・年齢・服装・所持品)さえ分かれば、すぐに人物属性認識技術を使用して監視映像からターゲットを追跡できます。この技術は、深層学習や機械学習を使い映像データから特徴を抽出、その後、識別および個人の関連属性(例:性別・年齢・服装・所持品)を特定することで監視映像から条件に合う人物を探し出します。この技術により迷子や容疑者を探し出すことが可能です。

3. 顔認証(Face Recognition)

人物追跡技術において、顔認証(Face Recognition)はカメラが捉えた人物の顔の認識を担う技術です。

FaceMe® AI 顔認証エンジンを使用して、顔の特徴の抽出および照合を行うことで、異なるカメラでも同じ人物の位置を特定・追跡することができます。実際には、顔認証技術は人物の再照合とセキュリティにおける危険の予防を強化するために使用することができます。例えば、セキュリティシステムが疑わしい行動を発見した場合、顔認証技術を使用して、より正確な識別と疑わしい人物の追跡を開始することができます。

顔認証技術で人物の追跡をより詳細かつ正確に

統合型 AI 人物追跡ソリューションに含まれる技術

統合型 AI人物追跡ソリューションは、人物の再照合・人物属性認識・顔認証の3つの AI技術が組み込まれているのが特徴です。これらの3つの技術を統合することで、人物をより適切に識別・追跡し、さらには身元を判断する情報を得ることができます。人物属性認識技術は、性別・年齢・身長・服装・所持品などの身体的特徴を認識することで、まず検索対象人物の画像を見つけ出し、それを人物の再照合技術でカメラからカメラへと追跡することができます。 最後に、顔認証技術が加われば、人物の追跡を総合的でより詳細かつ正確に行うことができます。

上記で述べた3つの技術以外にも、AI人物追跡ソリューションには以下の役割があります。

まず、複数のカメラ間で追跡できることが、人物追跡の重要な特徴の一つです。 公共の場では、監視範囲をより完全にカバーするために、カメラが異なる場所に配備されることがよくあります。 しかし、このような配置は人物追跡にも課題をもたらすため、カメラをまたいだ人物追跡をより正確に行うには、人物の動きを追跡して特定する強力なアルゴリズムが必要となります。

次に、AI人物追跡ソリューションは、大量の監視映像を自動的に分析・識別するために、ビデオ管理システム(VMS)と統合することが理想的であり、複数のカメラを統合し、人物追跡をよりユーザフレンドリーなものにするための統合管理インターフェースを提供することができます。

サイバーリンク People Tracker:3 in 1スマート人物追跡ソリューション

サイバーリンクの「People Tracker」は、これら3つのAI技術を見事に融合させ、監視映像内外の人物の足跡を迅速に探索し、既存のセキュリティシステムの機能を高精度・高性能に強化するとともに、主要VMSと深く連携することで対象人物の追跡に要する時間を大幅に短縮します。

1. 統合された3つのAI技術

サイバーリンク People Tracker は台湾で唯一、顔認証・人物の再照合(Person Re-ID)・人物属性認識(PAR, Person Attribute Recognition)の3つのAI技術を完全に統合し、高い検索性と追跡効果を発揮、あらゆる姿勢や角度(歩く・走る・前後)から人物の追跡を可能にします。

それだけではなく、サイバーリンクFaceMe® 顔認証技術は、認識率(TAR、True Acceptance Rate)99.83%を実現する深層学習型ニューラルネットワークアルゴリズムを採用した顔認証技術における世界のトップブランドです。 その優れた認識能力は、NIST FRVT 顔認識テストにおいて、世界で最も正確かつ高速な認識エンジンのひとつとして評価され、台湾の顔認証ベンダーとして最高ランクを獲得しています。

2. 超高速エッジコンピューティング性能

サイバーリンク People Trackerは、ローエンドのRTX A2000 GPUで21台の防犯カメラ映像をリアルタイムに監視・解析する超高性能エッジコンピューティング性能を実現しています。

3. 複数の主流ビデオ管理システム (VMS) 対応

大量の監視映像を自動で分析・識別すべく、サイバーリンクのPeople Trackerは主要なビデオ管理システム(VMS)と統合し、監視範囲の情報に瞬時にアクセスすることができます。ユーザーは、既存のセキュリティシステムを簡単に拡張でき、よりスマートで便利なセキュリティ機能を体感することができます。

サイバーリンクPeople Tracker に関する詳細情報・デモ・お見積もりをご希望の方は、こちらよりお問い合わせください。

スマート人物追跡ソリューションの最適な運用とは?

1. 大規模施設の安全管理

空港・駅・ショッピングモール・観光地などにおいて、不審物や危険物を運ぶ人を追跡するために重要な役割を果たすことができます。 例えば、空港や駅では警備スタッフが大きな小包や、不審な液体容器などの危険物を運んでいる疑いのある乗客を追跡するのに役立ちます。疑わしい対象者を追跡した後、警備スタッフはすぐに対象者をより詳細に検査して、必要に応じては逮捕や予防措置を行うことができます。

ショッピングモールや観光地でも同様に、暗がりで長時間滞在したり、他人の後ろをわざとついて歩くなど不審な行動も追跡できるため、警備員が不審者をより迅速に特定するのに役立ちます。また、スマート人物追跡ソリューションは、アクセス制御システム、警報システムなど他のセキュリティシステムと組み合わせることで、より総合的でスマートな防犯およびセキュリティを実現することができます。

2. オフィスやマンションのセキュリティ

スマート人物追跡ソリューションは、さまざまな場面のセキュリティに応用することもできます。例えば、オフィスや住宅環境では、盗難などの犯罪が発生した場合、映像監視システムで不審者の足跡を追跡することができます。 顔認証・人物の再照合・人物属性認識などのAI技術により、建物内外の不審者の動きを効率的に追跡することができます。

不審者の動きを追跡している場合、セキュリティ担当者への通知や警察への通報をタイムリーに行うことができ、セキュリティ効果をより高めることができます。また、アクセス制御システムと組み合わせて使用することで、顔認証などの技術により、敷地内への出入りを効果的に制御し、安全性をさらに強化することができます。

3. 行方不明者の捜索

屋内の娯楽施設やショッピングモールなどで子供などが行方不明になった場合、スマート人物追跡ソリューションは、監視カメラの映像から行方不明者の特徴を素早く抽出します。屋内や複雑な環境では、家族から提供された年齢・性別・服の色に基づいて、顔認証・人物の再照合(Person Re-ID)・人物属性認識(PAR, Person Attribute Recognition)の3つのAI技術を駆使してターゲットを特定することができます。複数のカメラ映像を比較することで迷子の位置を素早く特定することができ、捜索の効率を大幅に向上させます。

さらに、医療施設や高齢者施設などの介護施設でも活用することで認知症や精神疾患など、特別なケアを必要とする患者の行動を追跡することができます。このソリューションを通じて、介護者は徘徊や転倒などの患者の状態を検知、より速やかに対応すること可能になることで、事故のリスクを低減して患者の安全を守ることができます。

人物追跡技術は子供やお年寄りが行方不明の際に、捜索をサポートすることが可能

スマート人物追跡の展望

スマート人物追跡ソリューションは、セキュリティ及び監視業界を変革する可能性を秘めています。サイバーリンク People Tracker スマート人物追跡ソリューションを例にとると、明確な顔の画像がなくても、特定の人物の足跡を年齢・性別・服装、さらには所持品や装飾品で識別して追跡できます。顔の画像を追加することで、特定の人物の足跡をより正確に追跡することもできます。将来的には、画像処理アルゴリズムとディープラーニング技術の継続的な開発により、人物の追跡がさらに正確かつ効率的になるでしょう。

顔認証技術を実装できない場合、サイバーリンク People Trackerは顔認証を使用せずに人物の外見の特徴、衣服や体型によって足跡を追跡できます。将来、スマート人物追跡ソリューションが、顔認証・物体認証さらにはさまざまなセキュリティ管理およびアクセス制御システム等の技術と統合された場合、利用者へより包括的なスマートセキュリティシステムの提供が可能になります。

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