顔認証システムが選ばれる理由とは、その仕組みやメリットを解説
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顔認証システムが選ばれる理由とは、その仕組みやメリットを解説

2022/11/21

セキュリティに対する意識が高まり、多くの注目を集めている「顔認証」システム。顔認証とはいったいどのようなもので、そしてなぜ今、さまざまな分野で活用が進んでいるのでしょうか。顔認証の仕組みやメリット、選ばれている理由について、解説します。

顔認証システムとは

顔認証とは、データベースに登録された顔の情報と、カメラが検知した顔の画像や映像を照らし合わせて本人確認をするもので、身体の要素を用いて個人を認証する、生体認証システムのひとつです。生体認証には、顔のほか、指紋、静脈などを利用するものもあります。顔認証システムは、AI(人工知能)のひとつの技術手法であるディープラーニング(深層学習)の急速な進化によってその精度をあげ、現在、さまざまな分野で活用が進んでいます。

※ディープラーニング:人手を使わずにコンピュータのシステムなどが大量のデータを学習し、データの中から特徴を見つけ出す技術手法。

顔認証の仕組み

まず、顔認証がどのように顔を認識し、本人確認をしているのか、その仕組みをみていきましょう。顔認証で映った画像や映像と登録しているデータを照合する際、1対1で認証するやり方と、1対N(複数)で認証するやり方があります。

  • 1対1認証
  • 1対1認証は、予め登録してある顔情報の中から、IDやICカードなどを使って照合したい顔データを特定し、その情報とカメラに映った画像とを照合して本人確認をするものです。 最初に照合したい顔情報を特定するためのひと手間がかかってしまいますが、認証精度が高く、セキュリティの面で優れています。

  • 1対N認証
  • 1対N認証は、予め登録してある全ての顔情報と、カメラに映った画像とを照合して本人確認をするものです。認証精度は1対1認証と比較するとわずかに落ちるものの、IDやICカードなどを使った特定が必要ないため、利便性に優れています。

顔認証のメリット

いろいろな仕組みを用いて本人確認をする顔認証ですが、いったいどのようなメリットがあるのでしょうか。ログインなど、本人確認をする手法には、IDとパスワードを使う方法、トークンにワンタイムパスワードを送る方法など、さまざまなものがあります。顔認証は、そうした他の手法と比較して、多くの優れた点があります。主なものをご紹介します。

What is Facial Recognition?

セキュリティレベルが高い

まず、セキュリティの観点で大きなメリットがあります。他人のICカードを使用したり、一つのパスワードを複数人で共有したりして他人に「なりすます」ことができないため、高いセキュリティレベルを維持することができます。また、カメラをつかって瞬きや視線の動きなどを取得する生体判定の技術を用いることで、写真を使ったなりすましも防止することができます。

忘れる・なくすリスクがない

「忘れる、紛失するなどのリスクがほぼない」という点も顔認証の大きなメリットです。パスワードや秘密の質問など、本人の頭の中の情報に頼るやり方は、忘れてしまうというリスクが常につきまとう上、例えば総当たり攻撃などによりパスワードが解読されてしまうなど、情報として流出する危険が高いという難点があります。

また、ICカードやトークンなど、本人が持っているものを使うやり方は、紛失のリスクと隣り合わせです。さらに、所持者がなくさないように気を付けていたとしても、悪意の第三者による盗難なども考えられます。顔認証はそのようなリスクがほぼゼロのため、認証方法に用いるメリットが大きくあります。

利便性が高い

顔認証は、両手がふさがっていても顔さえ検知できれば機能するため、例えば何か荷物の運搬などを想定するシーンでも認証に余計な時間を取ることなく、スムーズな本人確認が可能です。昨今はマスクをつけたまま高い精度で本人確認することができる顔認証システムも開発され、認証のためにマスクを着脱するといった手間も必要ありません。

衛生的

新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、接触に対する心理的負担が大きくなっている今日。情報取得のための機器と接触することなく認証できる顔認証システムは、時代にあった認証システムのひとつといえます。また、一部の顔認証システムには、検温スクリーニングなど高い機能を備えており、本人確認とあわせて体温を測定し、健康状態を監視することも可能です。

このように、顔認証システムには、他の認証方法に比べて、多くのメリットがあるのです。

今、顔認証に注目が集まる理由とは

多くのメリットがある顔認証ですが、加えて、時代的・技術的な様々な背景から、大きな注目を集めています。

What is Facial Recognition?

理由①:多発するセキュリティインシデント

大きな理由のひとつとして、セキュリティ対策の強化が求められているという点が挙げられます。

経済産業省が所管する独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)が発行する「情報セキュリティ白書2022」によると、日本国内での2021年の情報セキュリティインシデントの数は、報道されている件数だけで全体で769件、2020年の537件から40%以上も増加し、Webサイト改ざん、フィッシング、ランサムウェアによる被害など、いずれも前年より大きく増加しています。

こうした背景を受けて、企業や自治体などに関わらず、あらゆるシーンでより高いセキュリティ対策が求められるようになっています。

理由②:ウィズコロナ、アフターコロナへの対応

新型コロナウイルス感染症も、顔認証に注目が集まる理由の一つとなっています。コロナの感染拡大で、接触に対する心理的負担が大きくなっている今日において、情報取得のための機器と接触することなく認証できる顔認証システムは、時代にあった認証システムのひとつといえます。また、一部の顔認証システムには、検温スクリーニングなど高い機能を備えており、本人確認とあわせて体温を測定し、健康状態を監視することも可能です。

理由③:顔認証技術の進歩

加えて、顔認証の技術は大きく進歩し、あらゆる場面で導入できるようになっています。AIによる認証精度の向上、生体判定によるなりすまし防止、検温スクリーニングなどの機能が追加され、活躍できるシーンが大幅に広がりました。また、昨今はマスクをつけたまま高い精度で本人確認することができる顔認証システムも開発され、マスクを着脱せずに認証することも可能になりました。

こうしたさまざまな理由から、今、顔認証に大きな期待が寄せられ、注目が集まっているのです。

顔認証導入でどんなことが実現できるのか

このように、多くの機能を兼ね備えた顔認証システムを用いると、ビジネスシーンのみならず、さまざまな場面で、衛生やセキュリティなど各方面での安心安全を担保しながら利便性の高い社会活動を行うことが可能です。顔認証を導入することでどのようなことが実現できるのか、例をご紹介します。

What is Facial Recognition?

企業の勤怠管理

顔認証を用いた勤怠管理は、顔認証システム導入の代表例ともいえ、多くの企業で実際に利用されています。顔認証を導入することで、出勤・退勤の打刻を自動で行うことができるほか、検温スクリーニング機能を用いることで、出社した社員の健康管理などを行うこともできます。

セキュリティエリアへの入退室管理

人の出入りを厳密に管理する必要があるセキュリティエリアの入退室管理でも、高い認証精度を誇る顔認証の導入事例が数多くあります。IDカードなどを併用した1対1の認証方法を用いることで、より厳密な本人確認も可能です。

口座開設時のリモートでの本人確認

金融機関のアプリケーションなどに顔認証システムを導入することで、リモートで口座を開設することができます。例えば利用客からアプリを通じて書類や顔写真を金融機関に送信してもらうことで、わざわざ店舗に出向むいてもらうことなく、金融機関が本人確認の手続きをすることが可能です。

資格保有者による検査実施管理

製造業の現場における品質管理に関しても、例えば、自動車工場で完成した車両の検査結果を管理するシステムに顔認証が導入され、検査資格を持った担当者が顔認証でログインする仕組みが実現しています。顔認証を用いることで、秒単位の時間管理が必要な生産現場でログインの時間を短縮することができ、生産性の向上と品質管理の厳密化に貢献しています。

無人店舗での顔認証決済

顔認証を用いた決済サービスの実証実験も始まっています。これは、例えばオフィス内に設置された店舗などでの導入が想定されていて、店舗で買い物をする社員の顔情報を事前に登録し、購入した金額を給与から天引きする仕組みです。現金はもちろん、交通系カードやスマホなども不要で、手ぶらで店舗に赴きキャッシュレスでの購買が可能となります。

まとめ

以上、顔認証について、仕組みやメリット、実際導入した場合にどのようなことが実現できるのかなどをご紹介しました。技術が進歩し、大きな注目を集める顔認証。今後、さまざまな場面での導入が進み、安全安心なセキュリティを担保した、より便利な社会の実現に貢献することが期待されます。

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