スマホ決済・銀行口座も顔認証でかんたん開設! eKYC技術でスマホはネット時代の身分証明になる?
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スマホ決済・銀行口座も顔認証でかんたん開設! eKYC技術でスマホはネット時代の身分証明になる?

2022/02/08

QRコード決済使ってますか?

QRコード決済というと「支」マークの中国AliPayがアジアでは先行していましたが、PayPay / LINE Pay / 楽天ペイ / au PAY / d払いなどなど、日本でも2018年のPayPay立ち上げ以降、次々とスマホとQRコード決済サービスが立ち上がりました。当初は大盤振る舞いなキャッシュバックやポイントの特典が魅力的だったり、コロナ禍においては身近な飲食店などで非接触なキャッシュレス支払いが可能になるなど、事業者・ユーザー双方での利点が多く、今では多くの人がスマホ決済サービスを利用しているのではないでしょうか?

さてこのスマホによるQR決済ですが、従来のチャージ型のSuicaやPASMO等と比較してもカードリーダーによる物理的な接続が不要なだけではなく、店頭でのQR支払いに加えて友人と送金しあったり、ヤフオクなどオークションの売り上げが入金できたり、銀行に入金できたり、まるで銀行の口座みたいに扱えて非常に便利ですよね。

「ま・る・で」銀行口座のよう!ではなく、実はQR決済口座は金融庁が定めている、キャッシュレス決済用の銀行口座に相当する扱いになっていますので、キャッシュカードや銀行口座、クレジットカードと連動する事ができる非常に利便性の高い決済口座になっているんです。

QRコード決済使ってますか

対面目視での本人確認が必要な銀行口座

ところで従来の銀行口座の場合、キャッシュカードを作る時にわざわざ銀行の窓口に足を運んで口座開設の申請をしていませんでしたか?また、ネット銀行が流行り出した時期には、郵送で免許証等の身分証コピーを送付しなくてはならず、さらにカードを受け取り時には郵便職員さんに身分証明書の提示が求められたりしていませんでしたか?これは、金融庁が定めている「銀行口座を開設する為には本人確認が必要」という項目を満たす為の必要事項であり、安全に銀行口座を開設して不正な銀行口座運用やマネーロンダリングを防ぐための施策となっているのです。

ただこの「対面目視による本人確認」というのは、何事も即時性が求められアプリをダウンロードすれば使える!というデジタル・スマホ社会において、サービスの普及を阻害し兼ねない大きなボトルネックとなる事は明白であった訳です。

対面目視での本人確認が必要な銀行口座

徐々にデジタル化が進んでいる現代社会

ところで、日本で広く普及している身分証明書というと「運転免許証・パスポート・マイナンバーカード」の3種類ですが、実はこれらの身分証明書は全てデジタル化が終了しています。ここで言うデジタル化というのはICチップによる真偽判定とNFCやカードリーダーを使用したサービスが可能かどうかという事で、ICチップから読み出した情報を使用してデジタル技術を用いて身分証明書が本物かどうかを照合する事が可能となっているという意味です。つまりこの3つの身分証明書を使用すれば、遠隔地などでも身分証明書が本物であるかデジタル的に確認する事ができるので、この身分証明書と実際の所有者が同一である事が証明できればインターネット越しでも技術的に「本人確認が可能」という事になります。

パスポート

ここで必要となってくる要素が「スマホ」と「顔認証技術」です。ICチップからデジタルデータを読み出すには近接タッチ通信であるNFCを使用しますが、ICチップの内容は「個人情報そのもの」となっていますので、可能であればプライベートに持ち運ぶ装置の中で全ての認証が完了する事が望ましいです。また「本人確認」を行うにはICチップから読み出した本人の顔写真データを用いて、実際の端末の前にいる人物と照合として本人であるか確認する必要がありますが、この時には写真や動画での「なりすまし」行為では無いかという生体認証技術を使用して判定する必要があります。

顔認証技術

eKYCって結局何なの?

これらの一連の本人確認の認証処理を「スマホ」や「ブラウザ」上で行う技術をフィンテック用語で「Electric Known Your Customer(電子的に顧客を知る)」略して「eKYC」と呼びます。

現在の所では、一般的には「スマホやブラウザ上で本人確認を行う行為・サービス全般」の事をeKYCと呼んでおり、日本市場では株式会社Liquid が提供するLIQUID eKYCというサービスがNo.1のシェアを持っており、多くの銀行やQRコード決済の口座開設に採用されている状況です。

eKYCが作るスマートな社会

現在は「銀行口座の開設」に注力されるeKYCの技術ですが、本質はデバイス上で「本人確認」を行う事であり、用途は「銀行口座の開設」にとどまりません。現在リアル社会での「本人確認が必要な全ての状況」がeKYCを使用してスマホ上で本人確認が可能となる訳です。

例えば、モバイル電話回線の開設には既にeKYC技術が普及しています。従来ではdocomo / au / SoftBankなど実店舗に行って申請する必要がありましたが、店舗を持たないahamo / povo / LINEMO等の新サービスではeKYCを用いて口座開設時の本人確認を行っています。また、カメラやブランド品など中古品の買い取り等も従来は店頭での身分証明書の提示を求められましたが、今後はeKYCによる遠隔での買い取り等のサービスが普及するかもしれません。他の用途ですと、例えばPS5など転売行為によって品薄が続くような人気商品の購入等でも、eKYCによる本人確認を行う事で不正行為での予約購入等を防ぐことが可能になるでしょう。

eKYCとO2Oにおける身分証明

eKYCの可能性は「オンラインによる遠隔」での認証に限らず「O2O(Online to Offline)」用途にも拡張して使用も可能です。

O2Oの具体例としてはコンサート・イベント等において、インターネット上でeKYC本人確認を使用してチケットを購入し、現地でも顔認証入場によって確認するという方法です。現在進んでいるワクチンパスポート等でも同様の仕組みを利用する事が可能です。つまり、eKYC技術を活用する事にって、スマホは身分証明書の代わりとなり、本人確認が必要な様々なサービスを代替えする事が可能になるという事になります。

QRコード - COVID

といいつつeKYCのお粗末な現実

さて、順風満帆に見えるeKYC技術ですが、サービス実態となるとお粗末な現実が待ち受けていますと言わざるを得ません。

実際にQRコード決済や銀行の口座開設でeKYCを使った事がある人であればわかると思いますが、ステップの煩雑さ、エラー>リトライの多さ、インターフェイスの不親切さ、処理終了後の認証待ち時間の長さ、これら全てで最悪なUXを提供しているのがeKYCサービスの現状です。筆者も何度もスマホでeKYCサービスを利用していますが、室内で照明不足によるエラー、サーバーのエラーや何度繰り返しても失敗する作業に辟易してサービスの登録を諦めたり、結局のところ本人確認用の証明書コピーを郵送で送付したほうが速かったというような事もあり、あまりにお粗末な現状です。

この原因はサービスを提供しているベンダーの技術不足が大半ではありますが、身分証明を行う為のICチップ読み出し用パスワードを殆どの人が覚えて居ないという問題もあります。

高度なAI技術が必要なeKYCによる真偽判定

eKYCにおける技術で最も重要になってくるのが、AIによる2つの高度な真偽判定です。

1つ目が身分証明書の真偽判定技術です。前述のとおりユーザーがICチップ読み出し用パスワードを覚えてさえ居ればこのような高精度な真偽判定は不要ですが、実際は殆どのユーザーが発行時パスワードを記憶していないという問題があり、現状ではOCR技術と免許自体の薄さチェックや偽造写真の貼り付けチェック、フォント等の配置など様々な要素の解析を組み合わせ、「見た目」から真偽判断を行います。実際には免許証やマイナンバーカードの真偽を低解像度なスマホカメラ画像から判断する事は非常に難しく、ごく一部の高度なノウハウを持つベンダーを除き、殆どの場合は単純なピントや明るさなど簡単な項目のチェックだけをスマホ端末上で行い、写真画像をサーバーにアップロードしてから人間が実際に目視で判断します。これによって結果的に多くの時間、マンパワーが必要となり、判断不能のエラー率も高いものとなっているという現状です。

2つ目が身分証明書上の顔写真とカメラ前の人物との顔認証と生体判定です。一般的に身分証明書上の写真は年数が経過しているものが多く、パスポートの画像などでは最大で10年間前の顔と現在の顔を使用した顔認証が必要となります。このような年齢経過を考慮した顔認証技術は非常に高度なAI処理が必要となり、優秀な顔認証エンジンが必要とされます。また、スマホのカメラを使用した生体認証においても、表情の揺れなどによる生体スコアリングや、写真やスマホ・タブレットで表示した写真や動画など、様々なケースでのなりすまし防止行為をチェックする為、ジェスチャー等による反応判定を含めて高度な顔認証・生体認証AI処理が必要となり、現状のサービスでは殆どの場合において、動画をサーバーにアップロードしてから人間が目視で判断している状況であり、スマホ上のアプリによるオンラインによる申請に関わらず、申請受付後から結果判定に数時間から数日かかってしまい、場合によっては数日後にやり直しが必要と判明するなどユーザー体験に影を落としているような状況となっています。

携帯電話

まとめ eKYC より良いユーザー体験の提供に必要なものは?

現状のeKYCにおけるユーザー体験を改善するには、人間による目視判断をいかに減らしてAIによる自動化を進めるかという点が明確な鍵となります。その為には、より高精度な身分証の真偽性判断と、経年変化となりすまし防止にも対応が可能な高精度な顔認証エンジンの採用が最も重要なポイントであることはご理解頂けたかと思います。

サイバーリンクの提供するFaceMe®は、NISTにおける12年を超える経年変化テストにも8割以上の照合率という非常に高いスコアを記録する顔認証エンジンであり、またiBetaによる写真や動画を使用したなりすまし攻撃を正しく検出する生体認証テストにおいても100%の検知率を達成しています。eKYCのシナリオにおいてもFaceMe®を採用する事により、様々なサービス、本人確認作業シナリオの自動化を高度に行う事が可能となります。

このように顔認証エンジンは日々進化を続けており、アフターコロナ時代における非対面社会においての、スムーズな本人確認ソリューションの実現に貢献する事が可能です。

皆様の日常においても、顔認証による本人確認を利用する事により生活がより便利に、より安全に利用できるよう、セキュリティ面でも強化を行っております。

FaceMe®は世界最高水準の顔認証をより身近なサービスに利用できるよう、今後もパートナー様とソリューションを展開していきます。

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