【無料】動画の背景を透過する方法とおすすめアプリ3選【2022年最新版】

動画の背景を透過する方法、いわゆるグリーンバック合成やクロマキー合成などと呼ばれる動画編集技法のひとつです。この技術は比較的最近開発された技法で、動画の撮影がフィルムからデジタルに変わった後の事です。
この技法はグリーンバックの名の通り、被写体の背景を緑色(グリーン)にしたり、緑色のスクリーンは貼ったりし、動画編集をする際に緑色の部分をすべてデジタル処理で別の景色に変更する方法で、映画などで良く使われます。
本来は壮大でお金のかかるセットを組んで撮影していた映画をグリーンバックを使うことで小さなスタジオにグリーンバックを設置するだけで撮影出来るようになったため、最近の映画は大抵この技法がどこかに使われています。
ここまでの話を聞くと「映像のプロ」が使う技術のように聞こえますが、最近では動画編集ソフトの進化のおかげで、かなり身近な技法となってきました。そしてとうとうスマートフォンのアプリでこの処理を行えるようにまでなったのです。
そこで、今回はスマートフォンのアプリで「背景を透過」する方法について、おすすめアプリ3選と共に解説していきます。ぜひこの記事を最後まで読んでいただき、この技術を習得してみてください。
- 動画の背景透過(クロマキー合成)とは?
- 動画の背景を透過(クロマキー合成)するおすすめアプリ3選
- 動画の背景を透過(クロマキー合成)するコツ
- 動画の背景を透過(クロマキー合成)するやり方
- 動画の背景を透過(クロマキー合成)するならPowerDirector
- まとめ
動画の背景透過(クロマキー合成)とは?
TV でニュース映像をバックにニュースを読み上げるキャスター、ド派手に建物を破壊する映画の主人公、ゲーム実況でゲーム画面の隅に写る実況者などなど、これらは全て実際にはグリーンバック(グリーンスクリーン)の前で行われており、グリーンスバックをデジタル処理で別の背景に書き換える事で、あたかもその場にいるように見えているのです。
少し前までは、ハリウッド映画などプロの現場で使われる技法でしたが、昨今の動画編集ソフトの進化はめざましく、最近ではこれらの処理をなんとスマートフォンで行えてしまうようになりました。
そう聞くと、「意外と簡単な技術」と考える人もいるかもしれませんが、背景を透過する(クロマキー合成)を上手に行うには色々とコツなどもあります。今回の解説ではその辺も合わせて解説してきますので、ぜひ最後まで読んで背景透過について色々習得してください。
動画の背景を透過(クロマキー合成)するおすすめアプリ3選
1. PowerDirector (パワーディレクター)(iOS、Android)

PowerDirector は、多種多様で高度な動画編集機能とわかりやすい UI レイアウトにより、無料の動画編集アプリの中で最も優れたアプリの一つといわれています。
この動画編集アプリは、iOS や Android デバイス用にリリースされており、YouTube 動画や短い Vlog のオープニングを作りたい場合にも、重宝します。
また、PowerDirector では、グリーンバック動画も迅速かつ効率的に編集できます。
注目すべき PowerDirector の機能は以下の通りです。
- エフェクトとタイトル
- 4K動画対応
- 動画のスピードコントロール
- クリエイティブでスタイリッシュなトランジション
2. Filmmaker Pro (フィルムメーカープロ)(iOS、Android)

Filmmaker Pro は、手軽にプロ級の動画編集を可能にします。iOS と Android でリリースされており、高度な動画を作るために必要充分な機能が搭載されており、もちろんグリーンスクリーン、クロマキー(Chroma Key)編集機能も備わっています。
マルチトラックでの編集機能はありませんが、その他の様々な機能でその欠点を補っています。約30 種類のフィルターや 17 種類以上のトランジションで 4K 動画を自由にカスタマイズできます。そして、簡単にナレーションを追加できるオーディオメーターも備わっています。
しかし Filmmaker Pro の全ての機能を利用するにはアプリ内での購入が必要になります。サブスクリプションまたは年間契約を購入すると、オーディオトラック、ツール、イラストの編集などを出来るようになります。また、作品をエクスポートした際に自動で入ってしまう「透かし」を取り除くことができます。
3. KineMaste(キネマスター) (iOS、Android)

KineMaste(キネマスター)は、トランジション、合成モード、クロマキー、色調整などの機能を備えています。これらのツールはすべて、スマートフォンでの操作を考え簡単に操作できる絶妙なインターフェース配置となっています。
KineMaster は、PowerDirector 同様、最大 4K での動画編集をサポートし、YouTube へのアップロードも可能です。
クリップをフレームごとにトリミング、カット、微調整することができ、これは音声トラックにも適用されます。これらの精密な編集機能により、動画を思い通りに仕上げられます。
しかし無料版で出力した動画には自動的にウォーターマーク(透かし)が入ってしまうため、気になる人には向いていないかもしれません。
動画の背景を透過(クロマキー合成)するコツ
たしかに動画編集アプリの「クロマキー合成機能」をつかえば、動画の知識や技術があまり無くても、クロマキー合成(背景透過)の動画を作ることができます。
しかし、綺麗に合成したり合成とはわからないレベルの動画にするためには、それなりのコツが必要です。
このコツを知らずに動画撮影に失敗して、動画を撮り直すのは、一番避けたいことですよね?
そのためにも、この項でご紹介するコツを知っておけば編集にかかる時間や費用を節約することができるかもしれません。
コツ① グリーンバックの背景
壁と床を覆える綺麗なグリーンバックを用意してください。壁と床にグリーンバックをつなげてかける際には、壁と床の境目をふんわり覆うようにし、シワや影ができないようにしましょう。また、グリーンバックの大きさはカメラの画角をすべて補える範囲より少し大きめに考えておきましょう。
これらに気を付けることで、撮影後の編集でレイヤーを重ねる工程が簡単になります。
- グリーンバックの保管はシワやホコリなどに注意する
- グリーンバックにシワや擦れが発生しないようにする
- グリーンバックに影が発生しないように照明を調整する
- 奥行きに余裕をもたす
コツ② 照明
「クロマキー合成」をするためにグリーンバックで動画を撮影する際には、グリーンバック全体に均一で明るすぎない照明をあてると良いでしょう。グリーンバックに照明ムラが発生すると、綺麗にクロマキー合成をすることが出来ない場合があります。また影や反射を避けるために、被写体には個別で照明を当てるようにしてみましょう。
- 影を作らないようにする。
- 均一で柔らかい照明を使うようにしましょう。
- 反射する面があった場合は、可能な限り取り除きます。
コツ③ カメラの設定
プロ用のビデオカメラを使っていたとしても、可能なかぎり動かさないようにします。もしカメラが動いてしまうとグリーンバックに被写体が振動しているように見えてしまいます。また、ズームインやズームアウトも被写体が大きくなったり小さくなったりしているように見えてしまうため行わない様にします。
コツ④ 被写体について
被写体への照明は、その他の全てのセッティングが終わってから調整するようにしましょう。こうすることで、グリーンバックがしっかりと機能し、被写体を上手に映すことができます。また、被写体がグリーンバックに近すぎると、グーリンバックの色が被写体に移ってしまい、被写体の顔色などが悪く見えてしまうことがあります。もし距離を調整できない場合は被写体にメイクを施すなどの対応をしてみましょう。
- 被写体にグリーンバックの色が反射しないようにする。
- 被写体の位置はグリーンバックから 1.8 メートル以上離れた場所にする。
- 被写体ごとに別々に照明をあてるようにする。
- 被写体にメイクをするなどの調整をする。
動画の背景を透過(クロマキー合成)するやり方
さて、クロマキー合成(背景透過)の撮影時のコツは解説しましたので、この項では編集方法について解説していきます。
なお、解説には「PowerDirector」を使用しておりますので、一緒に試してみたいという方は下記リンクから先にダウンロードしておいてください。
ステップ 1
PowerDirector を起動します。(下図のような画面になります)
「新規プロジェクト」と言う部分をタップします。
「プロジェクト名」は、そのままでも良いですし、自分でわかり易い名前に変更も可能です。
「プロジェクトの縦横比」は、出力したい動画によって異なりますので、今回は一般的な「16:9」にします。


ステップ 2
まず、クロマキー合成の背景に使う動画か画像を選びタイムラインに追加します。
タイムラインへの追加方法は、使いたい画像を1回タップし、「+」が出たら再度タップする事で追加されます。

ステップ 3
次に、タイムラインの動画を1度タップし、左側にメニューをだします。
メニューからレイヤー(紙が重なったようなアイコン)をタップ。

ステップ 4
下図のような画面に切り替わりますので、左側メニューから「動画」をタップします。

ステップ 5
すると、再び画像を選択する画面になりますので、今度はグリーンバック撮影をした動画を選択しタイムラインへ追加しましょう。

ステップ 6
次に、画面左下にある「エンピツ型」のアイコンをタップし、新たなメニューを開きます。
新たに開いたメニューの中から「クロマキー合成」を探してタップしてください。


ステップ 7
下図のような画面になりますので、透過したい箇所をタップ(今回の場合は背景のグリーンバック部分)します。
基本的に「透過」は自動で行われますが、もしノイズが残ったり、上手く透過できないようでしたら、「色の範囲」や「ノイズ除去」のスライダーを調整し、背景が全て透過されるようにしましょう。

ステップ 8
ステップ7での調整が上手くいっていたら、下図のようにグリーンバックの変わりに、1段目に配置した背景へ入れ替わります。
これで、「クロマキー合成」の完了です。

動画の背景を透過(クロマキー合成)するならPowerDirector
CyberLink 社がリリースしている動画編集アプリ PowerDirector は、ユーザーフレンドリーなインターフェイスと高機能な編集ツールを搭載しています。他にも、タイトルテンプレートやスムーズなトランジション、豊富なエフェクトを備えているので、思い通りの動画が簡単に作成できます。なによりも PowerDirector は動作が軽く Android と iOS の両方のプラットフォームに対応しており、どなたでも使いやすく設計されているのが特徴です。
編集機能としては、オーバーレイ、ブレンドの機能や画角の変更ができるので、魅力的な動画を作成することができ、さらに豊富なエフェクトや LUT(ルックアップテーブル)を備えているので、映像演出の幅が広がります。また、サブスクリプションを購入することで膨大なロイヤリティーフリー動画や音楽を所蔵するShutterstock(シャッターストック)ライブラリから、画像や BGM、動画やサウンドエフェクトなどの素材を使い放題なのが嬉しいところ。
また、PowerDirector には、ドラッグ&ドロップで編集ができる機能があり、動画編集が初めての人でも手軽に動画を編集することができます。マジックムービーウィザード機能を使えば、テンプレートを使ってすぐに魅力的な動画を作ることができます。
画質においても、TrueTheater(ビデオエンハンスメント)の機能によって、動画の明るさや色調、彩度を自動的に調整することで、動画をより綺麗に見やすくすることができ、さらにモーショントラックの機能で、動画内の被写体の動きに合わせてエフェクトを追加することもできます。
そして PowerDirector は定期的に機能のアップデートが行われているので、これからも新しい機能やエフェクトが追加されていきます。
PowerDirector は、初心者からプロの動画編集者まで、すべての方におすすめできる動画編集ソフトです。
なお、PC 版もスマートフォン版も無料でダウンロードができますので、すぐに使用することができます。
まとめ
動画の背景を透過する方法(クロマキー合成)におすすめなアプリ3選とクロマキー合成の方法について解説しました。
いかがでしたでしょうか、背景透過について色々理解していただけたかと思います。
この技術は汎用性も高く非常に使えるので、ぜひ習得してあなたの動画をさらに素晴らしい物にしてください。
これから動画編集を始める方、すでに動画編集を始めている方、そしてプロの方にもおすすめの動画編集ソフト「PowerDirector」シリーズはPCで無料の体験版を、スマートフォン用アプリは無料ダウンロードがありますので、この機会にぜひダウンロードしてみてくださいね。