米国で企業経営者や政府関係者などの要人警護を担うセキュリティチームでは、警護対象者の移動に合わせて、さまざまな場所で迅速に警備体制を構築する必要がありました。
そこでFaceMe® Securityを導入し、持ち運び可能なオフライン顔認証システムを構築。許可された関係者を顔認証で確認するとともに、未登録の人物を検知した際には、警備担当者へリアルタイムでアラートを通知します。FaceMe Securityは一般的なノートPC上で動作し、既存のAXIS Camera Stationとも連携できます。大規模な設備やインターネット接続を必要とせず、ホテルやイベント会場など、警護対象者の移動先でも短時間で顔認証環境を構築できます。
企業経営者や政府高官などを対象とした要人警護の重要性は増しています。2025年には、企業経営者を標的とした攻撃が最初の10か月だけで95件報告され、そのうち約3分の1が負傷または死亡につながっています。政府関係者への脅威も増加しており、米国議会警察が2025年に記録した議員への脅迫関連案件は14,938件と過去最多となり、前年比57%増加しました。² また、企業の最高セキュリティ責任者の半数以上が、こうしたリスクの高まりを受けて警護関連予算を増額しています。³
要人警護では、警護対象者の移動に合わせて警備する場所も次々と変わります。空港からホテル、イベント会場へと1日のうちに複数の場所を移動する場合、それぞれの場所に常設の監視設備を用意することは現実的ではありません。また、訪問先のネットワークを警備システムに利用できるとは限りません。そのため、警備チームには次のような仕組みが求められていました。
警備チームは現地に到着後、ノートPCとカメラを設置し、その日の警備対象に合わせてFaceMe Securityを短時間でセットアップします。主な運用の流れは以下のとおりです。
カメラを出入口などに設置
AXIS Camera Stationに接続したカメラを、監視が必要な出入口や警備エリアに配置します。
許可された関係者を事前登録
警備開始前に、スタッフや関係者など入場を許可する人物を許可リストに登録します。
顔をリアルタイムで照合
FaceMe Securityがカメラ映像から顔を検出し、許可リストとリアルタイムで照合します。
未登録者を検知するとアラートを通知
許可リストに登録されていない人物を検知すると、警備担当者へ即座にアラートを通知。対象者を確認し、必要に応じて対応できます。
FaceMe Securityを活用することで、警備担当者がすべての出入口を常に目視で監視する必要がなくなり、注意が必要な人物をより早く把握できるようになります。
特に、混雑するホテルのロビーやイベント会場の搬入口など、限られた人数で複数の場所を監視する必要がある環境では、リアルタイムの顔認証とアラートが警備業務を支援します。警備担当者の記憶だけに頼ったり、問題発生後に録画映像を確認したりするのではなく、未登録の人物を検知した段階で確認できるため、限られた人員でも複数の出入口を効率的に監視できます。
要人警護で顔認証を利用する場合、顔データだけでなく、警護対象者の行動や警備場所に関する情報も適切に管理する必要があります。FaceMe Securityでは、顔認証処理を警備チームが管理するノートPC上で実行できます。この構成では、顔データをサイバーリンクや外部のクラウドサーバーへ送信する必要がありません。また、ロールベースのアクセス権限や操作ログを活用することで、顔データやアラートにアクセスできる担当者を制限し、運用状況を管理できます。
警備チームは運用方針に応じて、次のような項目を設定できます。
FaceMe Securityの導入により、常設の監視インフラを構築することなく、警護対象者の移動先でも短時間で顔認証を利用できるようになりました。主な導入効果は以下のとおりです。
ホテルでの短時間の警護から数日間にわたる大規模イベントまで、FaceMe Securityを警備チームとともに持ち運ぶことで、場所が変わっても一貫した顔認証による警備体制を構築できます。
¹ Security Executive Council and Mercyhurst University, Executive Targeting Report: Analysis of Attacks on Corporate Executives, 2003 to 2025, as reported by ASIS International (February 2026).
² United States Capitol Police, Threat Assessment Section case data for 2025 (January 2026).
³ Security Magazine, “The Rising Tide of Executive Protection: Corporations Ramp Up Security in an Era of Heightened Threats” (April 2026).