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春からスタートするDXハイスクール、
動画・写真の編集ソフトを使うメリットとは?

最終アップデート 2024年 4月 18日 – by Hiroshi
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春からスタートするDXハイスクール、動画・写真の編集ソフトを使うメリットとは?

デジタル領域など成長分野の人材育成を目指し、文部科学省が2024年春からスタートさせた「DXハイスクール」。

デジタルを活用した教育ができる環境整備と、教育内容の充実が求められていますが、中でも注目されているのが動画や写真の編集ソフトを活用した学習展開です。

DXハイスクールの制度で求められている教育とは、いったいどのようなものなのか、そして動画や写真の編集ソフトを使うことで、どのようなメリットがあるのか、詳しく解説します。

DXハイスクールで求められている教育とは

最初に、DXハイスクールで、いったいどのような教育が求められているのか、制度の概要とあわせてご紹介します。

DXハイスクールとは、正式な名称を「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」といい、デジタル領域などの成長分野の人材育成を目指して始まった、文部科学省の事業です。一定の要件を満たして国に採択されると、スペックの高いパソコンや3Dプリンタ、動画や写真の編集ソフトといったツール整備、専門人材の派遣などに対する費用について、国からの補助を受けることができます。

要件の一つは、情報や数学等の教育を重視するカリキュラムを実施し、ICT機器を活用した学習を強化すること。

中でも求められているのは、「探究的な学び・STEAM 教育等の文理横断的な学び」です。

探求的な学びとは、自ら課題を発見する、情報を集めてその課題を追求する、集めた情報を整理し分析する、取り組みの成果をまとめて表現する…という一連の流れを、周囲の人と協働しながらすすめる学習スタイルです。

もう一つのSTEAM教育とは、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)に加え、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲であるAを加えた造語で、教科の枠にとらわれない横断的な学習方法を指す言葉です。

DXハイスクールでは、ICT機器やデジタルリソースを活用し、こうした新しい時代に対応した学習に取り組むことが求められています。

動画編集ソフト、写真編集ソフトを使うメリット

Demo

今回ご紹介するのは、動画編集ソフトや写真編集ソフトを使った学習です。前述したような教育に取り組む上で、そうした編集ソフトを使うとどのようなメリットを得られるのでしょうか。

■生徒の創造性を活かし、表現力を付けることができる

そもそも動画や写真の編集ソフトは、クリエイティビティを発揮し豊かな表現方法を使いながらコンテンツを作り上げるためのものです。そのため、興味を持ってもらう構成を作る、より効果を高めるエフェクトを追加する、パッと見て変化がわかるグラフを作成する…など、目的に合わせ、生徒一人一人が創造力を発揮できる多様な機能が備わっています。これらは、より効果的な学習をすすめる上で、大きなメリットの一つと言えるでしょう。

また、企画提案をする、プロジェクトの結果を発表するなど、相手に伝わる表現力を身に付けることは、仕事をする上で生涯を通じて必須となるスキルの一つです。動画や画像の編集ソフトを使うことで、生徒にそうした力が自然と付くことも期待できます。

■領域を限定せず活用できる

高額なICT機器を揃えても、使える授業が限定されてしまうと、費用対効果が期待できず、デジタルリソースを活用した教育の実現も難しくなってしまいます。

あらゆる学習において、発表や説明などの場面は想定されるため、動画や画像の編集ソフトであれば、授業の内容を限定せず幅広く活用することができます。

また、特別な機会に限定して新しい機器をその時だけ使っても、スキルや学習効果をしっかりと得ることはできません。日常的に繰り返し使うことで、生徒は新しい機器を使いこなし、自然と他の生徒の表現を見て真似したり、自分なりの工夫をしたりするなど、より高い学習効果を得られる可能性が高まります。

■生徒が積極的に楽しく取り組むことができる

積極的に楽しく臨めるか、退屈さを感じながらいやいや取り組むかでは、当然ながら、生徒の成長度合いも大きく異なります。

その点、普段からスマートフォンで動画を見たり、撮影した写真を加工したり、高校生にとって動画や写真はとても身近な存在です。中には、無料の編集ソフトを使って身近な日常をSNSなどに上げている生徒もいるかもしれません。

もちろん、動画や写真の編集ソフトを使った授業では、そうしたものよりも格段にレベルの高い表現を学ぶことができ、生徒たちが興味関心を持って学習の目的に沿ったコンテンツ作りに取り組むことができます。また、編集方法そのものを学ぶだけではなく、さまざまな学習の発表や説明などの段階で動画や写真の編集という工程を組み込むことで、生徒たちが授業全体に対して楽しみながら積極的に参加することが期待できるでしょう。

■専門知識がなくても使いこなせる

一般的に、動画や写真の編集ソフトは、基本的な使い方を覚えれば、専門的な知識がない初心者でも使いこなせるものがほとんどです。そして、入口のハードルが低い一方で、前述したように多様な機能があり、興味を持って追求すれば映像や写真にさまざまな加工をし、高校生でもプロのようなコンテンツを作ることが可能です。

通常の使い方をマスターするために多くの時間がかかってしまうと、本来の目的である教育内容に割く時間が減ってしまい、そもそもの目的に沿った活用をすることができません。生徒も教師も使いやすく、比較的簡単に操作できる動画や写真の編集ソフトの導入は、DXハイスクールの実践に適していると考えられます。

 

動画編集ソフト、写真編集ソフトを選ぶポイント

動画や写真の編集ソフトは、無料のものから有料で多くのユーザーの使用実績があるものまで、多数あります。実際に学校で導入する場合、どのようなポイントを見て選べばよいのでしょうか。

■多様な機能があるか

DXハイスクール本来の目的を鑑みると、生徒が自由度高く編集し、創造性を持って楽しく取り組むためには、多様な機能が必要です。

無料のソフトは手軽に使用できる一方で、当然ながら機能が少なく、一定量の広告を閲覧しないと操作できないなど、授業で用いるにはマイナスの面が多くあります。

映像や音声などを装飾するエフェクトや場面の切り替えに使うトランジションが充実しているか、素材が豊富で、動画、写真、音声、テキストなどさまざまなものを組み合わせたコンテンツ制作ができるかなど、目的に沿った多彩な表現を可能にする機能が備わってしているかどうかを確認しましょう。

近年は、生成AIの機能を取り込んだソフトもいろいろと登場しています。それぞれのソフトの上位モデルやオプションなどになるケースが多いですが、より学習の幅を広げるために、活用するのも一つのやり方です。

■チュートリアルやガイドなどが充実しているか

前述したように、多くの時間を費やさなくても教師や生徒が使えるようになるかどうかは、ソフトを授業で使うために大事な要素です。また、「ソフトの使い方がわからなくなった」という学習の本来の目的とは直接関係のない問題によって、生徒が学びをストップしてしまうことも避けなければなりません。

操作方法を映像や画像で説明してくれるチュートリアル機能や、最初に手を動かしながら基本操作を一通り体験できるユーザーガイド、使っている途中でわからなかくなったときに確認できるオンラインヘルプなど、編集作業の助けとなるものがしっかりとそろっているかどうか、導入前に確認しましょう。

また、国内にユーザー数が多いソフトであれば、工夫した使い方や便利な機能を専門家などが紹介する、ネット上の動画や解説記事が多数あります。「こんな表現をしたい」と思ったときに、生徒が自ら調べてやり方を発見し、工夫を重ねて多彩なコンテンツを作ることも可能です。

■サポート体制があるか

ソフトの操作に関することだけではなく、エラーが出てしまいインストールできないといった技術的な問題や、より機能を拡大するために途中からサブスクリプションを購入できるかといったアカウントに関する疑問など、快適に使用する上で確認したい事柄が出てくることがあります。

そうした際に対応してくれるサポート体制がしっかりとあるかどうかも、安心して使い続けるために大事な点です。

また細かな点ですが、日本語でのサポート窓口があるかどうか、過去の問い合わせ履歴やよくある質問などを閲覧できるかどうかも、何かあったときの手間を大きく左右します。さらに、Windowsのバージョンアップに合わせたアップデートがあるかなど、長く使い続けることが可能なソフトかどうか、確認しましょう。

 

まとめ

動画や写真の編集ソフトを導入する際は、それぞれの特徴や実績をよく確認して、無理なく活用できるものを選ぶことが大切です。ものによっては無料体験版もあるので、実際に触ってみて、授業で活用できるかどうか確認してから決めることもおすすめです。

動画や写真の編集ソフトを授業に取り入れることは、DXハイスクールが目指す文理横断の探求的な学びを後押しし、生徒の可能性を大きく広げることが期待できます。上手に活用し、未来に必要とされる人材育成を目指しましょう。



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