【初心者向け】動画編集でのレンダリングとは?レンダリングを高速化する方法【2024年最新版】
最近では誰もが簡単に SNS などで動画が共有ができるようになり、動画編集に興味を持ち始める人が増えています。
しかし、いざ動画編集を初めてみると専門用語が多く、サイトなどで調べようとしてもすでに意味を知っている前提で解説がされていて、なかなか理解が深まらないと良く聞きます。
そこで、今回は動画編集用語の一つである「レンダリング」について解説していきます。
「レンダリング」とは?レンダリングの基礎知識
レンダリング(rendering)とは、 render 「表現する、翻訳する」が語源となり、本来はデータや言語などの抽象的なデータの集合を、プログラムなどの処理や演算をもちいて画像や映像、音声などを生成することを指します。
動画編集においては、簡単に言うと「編集したデータを動画として書き出す作業」です。動画編集ソフトで動画や音楽、音声、テキスト、画面効果などのさまざまな編集を加えたデータを 1 つの 動画として書き出す作業の事を指し、動画編集には欠かせない作業です。
ひと昔前には「レンダラー」や「レンダリングエンジン」などと呼ばれる別のソフトでこの処理を行うこともありましたが、今回解説で使用する PowerDirector などの最近の動画編集ソフトには、初心者でも簡単に使えるよう、レンダリング機能が搭載されています。
また、レンダリングを行う際に重要なのは、「画質」や「解像度」、「出力形式」や「圧縮形式」などであり、どのような動画に仕上げるのかという設定を決める必要があります。
これは、視聴するデバイスや動画共有サイトなどによってこの設定が変わってくるため、レンダリングを開始する前にデバイスや共有先を確認しておく必要があります。
なぜ「レンダリング」には時間がかかる?
先ほども解説しましたが、動画編集では元となる動画に、特殊効果やフィルター、字幕、音声などさまざまな外的要素を追加して 1 本の動画として完成させます。そのため、編集の最後にそれらの要素を 1 つの動画ファイルとしてまとめる必要があります。
しかし、最近ではカメラやスマホなどの撮影機材の進化にともない、画質も向上しているため、非常に容量が大きくなります。
ただ撮影しただけの動画を編集せずにそのまま YouTube などで公開できるようにレンダリングするだけでも時間がかかります。
そこにさらに音楽のデータや字幕のテキストデータ、エフェクトの画像データなどを付加したうえで、レンダリングするので、その分処理に時間がかかってしまいます。そのため、音楽などの素材やエフェクトなどをたくさん使えば使うほど、レンダリングの時間が長くなると考えたほうが良いでしょう。
また、動画のレンダリングにはかなりの処理能力が必要となり、レンダリングを行っている PC では他の作業ができないほどになります。これはレンダリング作業が PC のスペックに依存しているためです。
そのため、スペックの低い PC で作業を行うとさらに時間がかかってしまう事になります。
レンダリングの時間を短縮する方法
レンダリングの時間を短縮する方法はいくつかあります。
方法1. 動画編集内容を最小限にする
先程の解説にもありました通り、動画編集の段階で音楽やエフェクトを載せるとそれだけ遅くなります。逆に言えば、動画の編集内容を最小限にすればその分レンダリングの時間を短くすることができます。
方法2. 動画編集ソフトに搭載された機能を使う
今回の解説で使用する PowerDirector などには、「プロファイル分析ツール」や「スマートレンダリング(SVRT)」という機能が搭載されており、これらを使う事によりレンダリングの効率を上げ、時間を短縮することができます。これらはソフトに依存するため、このような機能が無いソフトを選んでしまうと使うことができないので注意しましょう。
方法3. PC のスペックを上げる
動画のレンダリングは PC スペックに依存する部分が大きいので、 CPU やメモリなどのスペックを上げる、もしくは元々スペックの高い PC を購入する事でレンダリングの時間を短縮することが出来ます。ただし、これらの PC やパーツはそれなりに高価ですので、しっかり考慮した上で購入しましょう。
方法4. GPU を使う
GPU とは(グラフィック プロセッサー)の事で、映像関連の処理を行う専用のプロセッサーです。映像に関しては、通常の CPU の 100 倍以上の処理を行うこともできます。これを搭載したグラフィックボードなどを付ける事で処理を分散でき、レンダリングの時間を短縮することができます。
高速!便利!ソフトを使ってレンダリングする方法
それでは、実際にレンダリングを行ってみましょう。レンダリングをする際の設定方法と、レンダリングの時間を短縮する方法について解説します。
なお、ここでは国内販売本数 No.1 の動画編集ソフト PowerDirector を使って解説します。
PowerDirector には全機能が試せる無料版が用意されていますので、一緒に試してみたい方は下記よりダウンロードしてください。
ステップ 1:PowerDirector で動画を編集後「書き出し」をクリックする
PowerDirector で動画の編集を行い、「書き出し」の直前まで完成させます。
今回は様々な解像度と複数の異なる動画形式の動画素材を使用して編集した動画を用意しました。
動画編集が完了したら、画面上部のメニューから「書き出し」をクリックしましょう。
ステップ 2:書き出しの設定をする
YouTube などへの共有など、通常の動画を書き出す場合は、 H.264 が汎用性も高いのでおすすめです。
「H.264 AVC」を選択し、保存場所を選んで、「開始」をするだけです。
最近では、 H.265 も主流になってきていますが、 Windows の標準設定ではまだ再生できない場合もあるので、 H.264 を選んでおく方が良いでしょう。
PowerDirector の便利機能 その 1: 「プロファイル分析ツール」
PowerDirector に搭載されている書き出し機能「プロファイル分析ツール」について解説します。
先ほどは、 H.264 を選択して書き出しを行いましたが、設定としてはそれ以外にも、画面の大きさ(フル HD や 4K)や、フレームレート(1 秒間のコマ数)、ビットレート(動画の画質)などを細かく設定することができます。
しかし、これらの設定を適当に決めてしまうと、書き出される動画の画質が悪くなってしまったり、逆に元の素材動画以上の画質設定にしてしまうと、書き出した動画ファイルの要領が大きくなりレンダリング時間が長くなるなど、逆効果になる場合があります。
そこで、 PowerDirector に搭載されている便利な機能が「プロファイル分析ツール」です
「プロファイル分析ツール」を開くと、下図のような画面が表示され現在使われている素材のなかで、どの画質設定が一番多く占めているかを教えてくれます。
これを確認しておくことにより、多く使われている素材の動画設定に合わせて書き出すことができます。
今回の場合、 下図の通り 20% 近く占めている動画の形式に合わせて他の動画も書き出されます。
こうすることで、画質に大きな差が無くなり、最も効率的にレンダリングを行うことができます。
PowerDirector の便利機能 その 2: 「インテリジェント スマートレンダリング」
PowerDirector には「インテリジェント スマートレンダリング」という機能も搭載されています。
この機能は動画の画質を保ちつつ、書き出し時間を短くすることができる機能です。
使い方は簡単で、さきほどの「プロファイル分析ツール」画面で、右のタブにある、「インテリジェント スマートレンダリング(SVRT)」をクリックするだけです。
こうすることで、素材として使われてる動画のうち、書き出し時に再度レンダリングしなくてもいい(再度圧縮しない)動画を選ぶことができます。
下図の通り、この場合 19.56% の動画は再圧縮することなく元素材と同じ画質でそのまま書き出すことができるのが分かります。
この機能を使うことで、動画の画質を保ちつつ、レンダリング時間を短くすることができます。
ただし、この機能は動画にタイトルやエフェクトなどをかけないような、動画をカットして並べただけのような動画編集の場合に有効です。
まとめ
今回は、動画編集用語の一つである「レンダリング」についての解説と、レンダリング時間を短くする方法、また効率的に行う方法について解説しました。
レンダリングは、動画編集において時間のかかる行程ですので、今回の記事を参考に効率的に行ってみてくださいね。
なお、解説で使用した PowerDirector は、素早くレンダリングができるのはもちろん、UI も分かりやすく、最新の AI 技術が搭載されているので初心者でも簡単にプロ並みの動画が作れる人気の動画編集ソフトです。
PowerDirector は全機能を試すことができる無料体験版が用意されていますので、気になる方はこの機会に下記リンクよりダウンロードして、色々な機能を試してみてくださいね。